2017 Fiscal Year Research-status Report
精神障害者家族の子ども版「家族による家族学習会」プログラム開発と子どもの体験
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17K12532
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Research Institution | Saitama Prefectural University |
Principal Investigator |
横山 恵子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 教授 (80320670)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 精神障害 / 精神障害者家族 / 子ども / 家族学習会 |
Outline of Annual Research Achievements |
「家族による家族学習会(以下、家族学習会)」とは、統合失調症の家族を対象に、同じ立場にある精神障害者家族会会員がテキストを用いて、病気や障害の正しい知識を提供し、家族自身の体験的知識を共有する小グループで行う体系的なプログラムである。 本研究は、精神障害を持つ親に育てられた、子ども版「家族学習会」プログラムを開発し、「家族学習会」での子どもの体験を明らかにすることを目的とする。さらに、子どもの支援のあり方、「家族学習会」経験者をコアとしたセルフグループの誕生、体験を活かした社会的活動への可能性を検討することである。 平成29年度は、平成27・28年度に実施した家族学習会の経験者10名に、研究協力者として依頼、子ども版家族学習会を2クール開催した。学習会開始及び終了時にアンケートを実施するとともに、終了時に、参加者、担当者別に、グループインタビューを行った。インタビューでは、家族学習会で得たこと、進行方法やオリジナルテキストへに関する意見を尋ね、意見を参考にしてプログラムの見直しを行った。また、平成30年度に、大阪での子ども版家族学習会を開催する準備として、近畿地方に在住する2名の子どもの立場の家族を招き、家族学習会に参加者として参加してもらった。 その結果、家族学習会を経験した20人程が、平成30年1月21日に、「精神疾患の親をもつ子どもの会(愛称:こどもぴあ)」を立ち上げ、年5回程度の集いの定期開催を開始している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
子どもの立場の家族の協力を得て、29年度は子ども版家族学習会を2クール開催できた。その結果、家族学習会体験者約20人をコアグループとした、「精神疾患の親をもつ子どもの会(愛称:こどもぴあ)」というセルフヘルプグループを設立することができた。来年度の、大阪での開催に向けて、近畿在住の子どもの立場の家族もコアグループに加わり、準備状況も整えることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は、精神障害を持つ親に育てられた、子ども版「家族学習会」プログラムを開発することである。その結果として、3年間に、東京と共に、大阪と福岡での子ども版「家族学習会」を開催し、参加者をコアグループとして、大阪と福岡において、子どもの会を設立したいと考えている。また、これらの活動を参加観察することで、精神障害の親を持つ子どもの体験を明らかにしたい。
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Causes of Carryover |
平成29年度は、翌年度の活動を見越して、子ども版「家族学習会」に、近畿地方に在住する子どもの立場の家族2名を参加者として招いた。旅費に不足が生じないよう、余裕を見て予算を見積もったため、残額が生じた。この残額は、平成30年度の大阪での子ども版「家族学習会」に関東圏の子どもの立場の家族に支援を依頼するため、大阪への交通費に使用たいと考える。
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