2017 Fiscal Year Research-status Report
積雪時期におけるMCI高齢者の身体活動量獲得プログラムの開発とその予防効果
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17K12540
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Research Institution | Japanese Red Cross Hokkaido college of Nursing |
Principal Investigator |
大倉 美鶴 日本赤十字北海道看護大学, 看護学部, 教授 (70364172)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
馬場 みちえ 福岡大学, 医学部, 准教授 (60320248)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | MCI高齢者 / 身体活動量 / 認知機能 / 身体活動量獲得プログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、積雪寒冷地に暮らすMild cognitive impairment(MCI:軽度認知障害)者の認知症悪化予防につながる身体活動量獲得プログラムを3年間で開発することである。今年度(H29)の取り組み課題は、積雪寒冷地で暮らすMCI高齢者の認知機能低下や身体活動不足に影響する要因を明らかにし、認知機能および身体活動を維持・向上するためのプログラムを作成することである。 積雪寒冷地での実態調査を施すために、以前から相談し調査協力の内諾が得られていたオホーツク圏内の行政担当者へ改めて依頼し、承諾を頂いた。また、MCI対象者の選定については、行政が実施しているMCIチェックテスト等で、要観察対象となっている人を紹介頂き、行政の担当者からアンケートおよび身体・認知機能の測定について協力を依頼してもらうこととした。また、比較対象となる健康高齢者の依頼については、自治体の会長に承諾を得た後、研究者が行うこととした。 以上のように、実態調査のためのフィールドについては確保できたが、調査内容および方法については、対象の特徴から正確なデータを収集できない可能性があり、時間をかけて検討する必要があった。MCI高齢者の認知機能および身体活動量の測定方法について、運動生理学に精通した専門家および公衆衛生看護の専門家らと何度も会談し、「正確なデータを収集する方法」の議論を重ねた。また、調査用紙の内容などついては、幅広い視点から考えたいこともあり、経済心理の専門家らの意見も参考に再検討していった。結果、納得のいく調査方法が計画でき、正確な情報が得られやすい調査シートを作成できた。 現在、研究者が所属する大学倫理審査委員会の承認を得るため申請中である。委員会の承認が得られれば、調査を開始し結果を早期に示し、認知機能および身体活動の維持・向上に向けたプログラム作りに進みたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
平成29度に予定していた研究計画が遅れている。本来なら、実態調査を終え、改善のためのプログラム作成に入っていなければならないが、スタッフの産休や退職など急な人員不足が生じ、仕事量が増えたことなどから、研究に充てる時間がなかなか取れなかった。現在、実態調査については、実施まで至っておらず、研究者が所属する大学の倫理審査委員会へ申請中である。倫理審査委員会の承認が下りれば、できる限りスムーズに予定の計画を実施していく。 なお平成30年度は、スタッフの欠員が補充できる予定なので、平成29年度に予定していた計画と平成30年度に予定している計画が順調にすすめられるよう、研究の時間を確保し、着々と進めていきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は、当該年度の計画予定を変更し、まずは平成29年度の計画予定であった実態調査を早急に実施する。できれば身体活動量獲得のためのプログラムを作成までを目指したい。また、平成31年度にかけて、作成した身体活動量獲得プログラムを試験的に実施していくことができるよう、実施のための準備(手続き)も同時に進めていく。 具体的には、6月までに倫理審査委員会の承認を得て、調査期間7月~9月(非降雪時期)、12月~2月(降雪時期)を目途に調査を実施し、結果をもとに改善プログラム(案)を3月中に作成したいと考える。 研究を進めていく上では、研究体制が非常に重要になると実感しているため、学生アルバイトだけでなく、研究分担者あるいは研究協力者の追加も検討しながら、順調に進められるよう努めていきたい。
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Causes of Carryover |
平成29年度の研究計画が遅れた理由から、平成29年度の使用額約84万円となり、平成30年度の次年度使用額は約105万円となった。 平成30年度の使用予定額は60万円であるが、次年度使用額約105万円と合わせると約165万円となる。 平成30年度の使用予定額約165万円は、主に平成29年度に予定していた計画と平成30年度の計画を同時に実施していくために、必要な経費である。具体的には、認知機能および身体活動量測定のための物品購入、アンケートや測定調査を実施するための人件費および謝金、調査の手引書や改善プログラムの資料に必要なデザインおよび印刷料などが見込まれる。
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