2018 Fiscal Year Research-status Report
インドネシアのポシアンドゥを用いた地域共生の再編モデルの構築
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17K12550
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Research Institution | Kanagawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
芝山 江美子 神奈川工科大学, 看護学部, 特任教授 (00396392)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ポシアンデゥ / 高齢者 / ジョグジャカルタ / ボランティア / Gamping地区 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、限界集落C地域に住む高齢者と地域おこしに取り組む若年者の意識を調査し、インドネシアと日本の両者の意識をマッチングすることにより、若年者と高齢者が共に支え合う新たな地域創生モデルを確立していくことが必要である。インドネシアA地域(20年以上に及ぶC地域との連携・関係性)におけるインドネシア側のA地域の共助の在り様、また国内の地域保健・ボランティアの先進事例を紹介する場を設け、地域創生モデルを促進した。 第1に、限界集落C地域に住む高齢者・地域おこしに取り組む若年者の意識調査を行い分析した。また、先駆的に実施している若年者の地域おこしの活動、高齢者と若年者の交流についても調査をさらに継続する予定である。 第2に、高齢者・若年者の意識調査の結果をC地域以外の住民にも伝える。高齢者・若年者の意識のマッチングを行い、両者の意思を生かした地域創生モデルを構築する予定である。インドネシアA地域における共助モデル、国内における地域ボランティアの先進事例を紹介し、地域創生モデルの充実をさらに図り、今年度においてはさらにリサーチを通して具体的な内容にして行く為に効果的で効率的な予算執行を実施していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
相手国であるインドネシアが遠方の為に調査について幾分時間がかかる。 その為にはほぼ予定通りには実施出来ているが、時間のロスが実際である。 4月~11月C地域と同様の協力者2名と意識調査のフィードバックと地域創生ボランティアモデルの構築を実施する。さらに2月~3月は本調査において実施したボランティアの意識を定着させ、C地域の更なるボランティアの質の向上にも繋げる。 7月~8月においてはSrireieki,S.Kepにより、インドネシアA地域における高齢者ボランティアの実態を現場において詳細に聞き取り確認する。インドネシア国全土においては、ボランティア組織が全土で414か所ある(2016年3月現在)。C地域のポシアンドゥ(地域保健活動)を中心に、40年以上継続してきた理由についても調査し、データを解析し、限界集落のC地域におけるも地域創生ボランティアモデルにも反映させる。
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Strategy for Future Research Activity |
意識調査の信頼性・妥当性を図る。ゴトン・ロヨン(共助)を日本の限界地域の中に定着させ、共助を基盤としたモデルの構築を目指す。 2月には国内、8月には国外(インドネシア)へとプログラムの評価を公表し地域創生ボランティアモデルの認知度を向上させる。学術的な特色・独創的な点としては、ボランティアモデルの先進事例として、インドネシアで展開されている共助を念頭に置くことにも特徴がある。 発展途上国の保健医療福祉システムの特徴は公助(国予算)がないことである。財政面からのアプローチによる政府の少子高齢化への分析は、日本と似ているインドネシアにおける共助は、以下のような満足感を生活に与えている。家族や近隣に支えられて、物質的にも金銭的にも医療的にも恵まれないインドネシアA地域でも概ね今の生活に満足している地域互助型ボランティアでは専門的なケアが行われているとは言い難い。良心に基づく活動が生まれる社会的・文化的な背景もあり、それは住民の90%以上がイスラム教であることも1つの誘因とも考えられる。 このような満足感が生まれることは、住民の地域創生への意欲となると考えられる。ボランティアの活動状況・促進要因・心理的効果についてレビューし、今後のC地域おける高齢者と若年者の自発的なボランティア活動の可能性を探り、共助の意識を向上させようとするのが、本研究の大きな特徴である。予想される結果と意義としては、高齢者と若年者の意識を解析分析した結果は、作成したボランティアモデルとして全国に先駆ける地域創生の先進的なモデルとなりうる。各地域にはそれぞれの特徴があり、そこに住む住民の意識も違う。しかし、両者の意識を統合して成り立たせるというボランティアモデルの構築方法は普遍的なものとして展開可能である。
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Causes of Carryover |
今までの分析結果を8月のインドネシアにおいて報告・提言を予定している。現地語通訳およびインドネシアの有識者との会議等に予算を充て、分析結果が効果的に公表され、活用できるようにしていく。 また、国内においては、成果を学術集会にて発表、また国際学会においても発表することで、分析結果が認知されるよう予算を効率的かつ効果的に使用していく。
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