2017 Fiscal Year Research-status Report
ポートフォリオを活用した地域の包括的発達支援システムの構築-援助要請の観点から-
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17K12561
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Research Institution | Kamakura Women's Junior College |
Principal Investigator |
臺 有桂 鎌倉女子大学短期大学部, 初等教育学科, 教授 (00341876)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒木田 美香子 国際医療福祉大学, 小田原保健医療学部, 教授 (50303558)
藤田 千春 国際医療福祉大学, 小田原保健医療学部, 准教授 (70383552)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ポートフォリオ / 包括的発達支援 / 援助要請 / 幼児 / 保護者 / 地域保健 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、発達障害児ならびにその保護者(当事者)の主体的な援助要請を促すために、ポートフォリオを活用した包括的な発達支援システムを開発し、その学術的・施策的有用性を評価することである。具体的な研究の方法は、発達障害児の保護者ならびに支援者への調査から、ポートフォリオの構成要素や活用場面を検討しポートフォリオ案を開発、その後、モデル地区において当事者にポートフォリオを試用してもらい、包括的な発達支援システムを構築し、その有用性を実証的に検証する予定である。 初年度にあたる平成29年度は、国内外の発達支援においてポートフォリオ等がどのように活用されているか、地域における包括的発達支援システムの実際を把握し、これらの効果・課題を洗い出すことに取り組んだ。具体的には、千葉県を中心とした「ライフサポートファイル」の取り組みの実態(活用している書式の構成要素、連携の実態など)の情報収集をし、これからからポートフォリオの構成要素ならびに関係機関との連携フローなどの実態を検討した。ポートフォリオは、子どもならびにその保護者の基本属性、身体状況、発達の経過や支援経過などが基本的な構成要素であるが、専門職間の連携を目的としたもの、当事者が発達を確認し主体的にポートフォリオを活用する目的であるものなど、その構成要素や利用趣旨は統一的ではなかった。 また、地域における包括的発達支援システムの一例として、オーストラリア・クイーンズランド州ブリスベン市、ならびにクイーンズランド大学における家族支援クリニックの実践を視察し、包括的な発達支援には予防から療育まで階層的な支援システムを構築することが有効であるとの示唆を得た。 これらを踏まえ、平成30年度には、発達障害児者ならびにその保護者にインタビューを行い、ポートフォリオの試作・試用につなげる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の計画では、平成29年度は先行研究や実践事例、既存のポートフォリオに類似する資料分析に比重を置くことにした。当初計画していたインタビューは、これら事前準備の上で実施するのが効果的と判断し、平成30年度に先送りすることにしたため、当初計画よりやや進捗が遅れている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は、前年度に分析したポートフォリオの構成要素や活用場面を前提に、発達障害児者の保護者(当事者)ならびに支援者への調査を実施する。さらにその結果から、当事者が主体的に発達を確認し、地域のサービスを活用していくことを目的としたポートフォリオ案を開発し、首都圏近郊に在住の当事者数組において試行を予定している。
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Causes of Carryover |
(理由)平成29年度では、インタビューを実施予定であり、これに伴う交通費や謝金、データ入力作業などを予算に計上していた。しかし、インタビューの時期変更をしたため、生じた残余分は平成30年度に繰越となっている。 (計画)平成30年度は、ポートフォリオ開発のためのインタビューを首都圏近郊で実施予定である。これらにかかる交通費、謝金、ならびにデータ入力作業の委託等について、当初予算に平成29年度繰り越し分を加えた金額で賄う予定である。
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