2018 Fiscal Year Research-status Report
災害時の健康危機を支えるヘルス・リスクコミュニケーションのアルゴリズム開発
Project/Area Number |
17K12562
|
Research Institution | National Defense Medical College |
Principal Investigator |
早野 貴美子 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, その他, 教授 (40759031)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 邦夫 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 防衛医学研究センター 行動科学研究部門, 教授 (00531641)
河原 加代子 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 教授 (30249172)
長峯 正典 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 防衛医学研究センター 行動科学研究部門, 准教授 (70725217)
重村 淳 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 病院 精神科, 准教授 (90286576)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | ヘルスリスクコミュニケーション / 災害看護 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度の本研究が目指すところは、これまでの研究で抽出されたヘルス・リスクコミュニケーションの概念要素を核とし、概念データモデルを設計することであった。概念要素を定義した上で、複数の要素どうしを関連づけた。関連する要素のつながりの要点は、①危機情報の認知、②行動化、③コミュニケーション活動であった。これらの関連性を構造化し、その一部を用いてワークシートを作成してパターン構造を仮定した。このワークシートは、ヘルス・リスクコミュニケーションの基本となる要素に限定して図式化したものである。今後アルゴリズムを設計するにあたり、核となる要素についてその関係性やパターンを特定することが必要であった。特に、設定された被災状況の中でどのようなリスクコミュニケーションが展開されるのか、その思考過程を顕在化することが第一の課題であった。今年度の研究成果は、ワークシートを用いたシミュレーションをとおして、大規模震災直後の避難所におけるリスクコミュニケーションのパターンを仮定できたことである。具体的には、1)健康危機のシグナル察知に関すること、2)被災者との送受信を可能にする情報化システムに関すること、ⅲ)健康危機の回避と制御に関することの3点が導かれた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の最終目的であるアルゴリズムの開発に向けて、ヘルスリスクコミュニケーションの要素の構造化と概念データモデルの設計が重要である。その際、状況設定の決定と、健康危機状況の複数のパターンを検討することに時間を要した。
|
Strategy for Future Research Activity |
ヘルスリスクコミュニケーションの要素間の関連づけと概念データモデルの設計に基づき、健康危機情報に関するコミュニケーションのパターンを特定する。さらにその妥当性を検討する。
|
Causes of Carryover |
研究の遅れにより、調査と分析に係る費用がもち越された。アルゴリズム設計に係る費用および人件費等を次年度に計上する。また、研究成果の学会発表を行い、看護関係の専門職者の他、情報システムの関係職者との交流の機会を計画的に組み入れる。
|