2021 Fiscal Year Annual Research Report
Cervical cancer prevention strategies in urban poor communities in the Philippines
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17K12568
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
井本 敦子 長崎大学, 熱帯医学・グローバルヘルス研究科, 助教 (80745498)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青山 温子 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (40184056) [Withdrawn]
松山 章子 長崎大学, 熱帯医学・グローバルヘルス研究科, 教授 (70404233) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 子宮頸がん / 子宮頸がん検診 / 受診率 / 知識 / 受診行動 / 認識 |
Outline of Annual Research Achievements |
子宮頸がん及び検診に関する知識・認識、検診受診行動とその関連要因について明らかにするために、フィリピン地方部マスバテ州及び都市部マニラ貧困地域の住民女性各々338人と250人に質問紙調査を行った。その結果、両地域ともに対象者の多くは子宮頸がん検査の名前を聞いたことがあり、その情報源は医療施設であった。疾患及び検診に関する具体的な知識は低いものの、疾患への罹患性・重大性は認識していた。検診受診率は地方部13.9%、都市部27.6%と低く、受診の関連要因には、地方部では年齢40歳以上と高学歴、都市部では年齢40歳以上、既婚者、避妊具利用であった。受診理由には、両地域ともに医療従事者による助言・要望が最も多く、未受診の理由には、地方部において「経済的理由(交通費など)」「自覚症状がない」「検査の痛みや不快感」の順に多く、一方、都市部では「検査の痛みや不快感」が最も多く、次に「受診を勧められたことがない」「検査結果が怖い」と地域差があった。 また、質問紙調査参加者及び医療従事者50名を対象に住民の病気に対する理解や認識について質的調査を行った結果、乳がんに関しては広く認知されていたが子宮頸がんに関しては情報・知識不足がみられ、「がん」に対し「死」「致命的」といったイメージを持っているため、子宮頸がんは重篤な病気であるという認識を有していた。 以上より、検診受診行動促進のためには子宮頸がんに関する知識や予防概念を向上するための教育機会の増加、地域の特性を踏まえた対策の必要性が示された。また、医療施設が検診に関する情報源であること、医療従事者による働きかけが受診促進要因であることから、医療従事者の役割の重要性が示唆された。 今年度は質的調査の補足データを収集予定だったが、COVID-19 の影響による渡航制限等により調査が停滞したため、これまで収集したデータをもとに論文投稿の準備中である。
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