2019 Fiscal Year Research-status Report
教育現場における遺児支援の構築に向けた介入ツールの開発と検証に関する研究
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17K12570
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
佐藤 利憲 福島県立医科大学, 看護学部, 講師 (10583031)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 遺児支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
我が国では年間10万人の子どもが様々な死因により保護者を亡くし、その1割が自死遺児である。死別は誰もが体験するライフイベントであり、遺児・遺族支援は、コミュニティでの支援を充実させていくことが最も重要である。しかし、遺児支援はほとんど実施されておらず、コミュニティにおける遺児への理解は乏しい。特に多くの時間を過ごす学校においては、理解不足による他者の言動によって、様々な傷つき体験を繰り返している。このため本研究は、①学校での遺児の心理的ストレスや傷つき体験を明らかにするとともに、②児童生徒と小中学校教員を対象に、遺児の心理的特性と支援の理解度を調査する。さらには①②の結果から、学校での遺児の心理的特性と支援の理解度を高めるための介入ツールを開発し、その有効性を検証することを目的とした。 本年度①については、研究説明、ならびに支援活動のなかで、協力団体の担当者や遺児から学校での様々なストレスや体験に関することがいくつか語られている。調査の実施が遅れているため、協力団体・協力者との調整を進めていく。②については、小中学校教員との理解と協力を得るために、教育関係者を含めた子ども支援に携わる方々を対象とした喪失に関連する研修会を開催した。約150名が参加し、調査協力の意思を示した教員を通して、各学校で遺児・遺族支援、ならびに研究概要等を説明した。現在、今後の調査に向けて、学校長、または教師、養護教諭との調整を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
今年度、調査予定施設の体制が変更となり再調整が必要となった。また、調査予定の教育施設が台風19号の影響により、調整が困難・延期となった。 代表者は、本研究のテーマでもあるグリーフケアに携わっているため、台風災害後に、被災地、および被災された方々の対応・支援活動を実施することにより多忙となった。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画より研究実施が遅れている。現在、新型コロナウイルス感染症の影響で、活動を休止している支援団体や、教育現場においては、感染防止対策により関係者以外との接触を控えているため、調査の実施が難しいことが懸念される。 今後については、すでに調査協力団体や教育機関と再調整するとともに、新たな協力先を模索していく予定である。また、オンラインを活用した調査依頼や説明等も検討していく。
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Causes of Carryover |
調査が遅れ、当初の予定額をまだ使用できていない。 今後、新型コロナウイルス感染症の影響を考慮しながら、各地の調査協力機関と再調整、依頼、説明などを実施していく予定である。 また、質的ならびに量的データを収集・分析にも本研究費を使用していく。
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