2020 Fiscal Year Research-status Report
避難指示が解除された被災地保健師のエンパワメントとコミュニティ再生に関する研究
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17K12571
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
末永 カツ子 福島県立医科大学, 公私立大学の部局等, 教授 (70444015)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀内 輝子 福島県立医科大学, 看護学部, 講師 (00534083)
木下 美佐子 福島県立医科大学, 看護学部, 准教授 (50791919)
高橋 香子 福島県立医科大学, 看護学部, 教授 (80295386)
片桐 和子 福島県立医科大学, 看護学部, 講師 (80317627)
山田 智惠里 福島県立医科大学, 大学院医学研究科, 教授 (90322940)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 保健師 / エンパワメント / 帰還 / 住民 / コミュニティ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、2011年3月の原発事故後に出された避難指示が解除された地域のコミュニティの再生とその主体となる帰還した住民及びこれを支える保健師等のエンパワメントである。研究の目的を達成するために、キャパシティ・デベロップメント(Capacity Development 以下、CD)とフォトボイス(Photovoice)の概念と方法を援用し住民や関係者と協働するアクションリサーチ(Action Research 以下AR)を行ってきた。 本研究で用いたCD概念は新しい概念ではなく多くのARに活用されてきている。初めて提示した国連開発計画(UNDP)によると「個人、組織、社会が個別に、あるいは、集合的にその役割を果たすことを通じて問題を解決し、また目標を設定しそれを達成していく能力の発展プロセス」と定義されている。他のいくつかの定義を照合してみると以下の3つの共通の特徴が挙げられる。1つめは、キャパシティの包括性である。2つめはキャパシティの内発性、3つめは側面支援するファシリテーターの役割である。また、フォトボイスも参加型ARの一手法である。 本研究は、2019年度前半まではほぼ予定通り順調に進捗していたが、コロナ禍のため2019年後半から2020年度の予定していた評価のための調査などが実施できず滞りが生じた。そのため本研究の延長申請を行った。しかし、2021年5月現在もコロナ禍の収束の見通しが立たず、最終年度に予定していた研究推進が困難な状況は変わってはいない。 そこで、2021年度には研究のアプローチを以下のように変更する。本研究のこれまでのフィールドでの実践記録の整理分析と合わせて研究者が本研究と並行して実践してきた他のアクションリサーチの実践事例とを本研究の目的とCDの概念(上記の①~③の視点)に沿って活動プロセスを分析評価し比較検討し研究をまとめていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究の初年度、2018年度、2019年前半までは、ほぼ計画通り進捗することができた。しかし、新型コロナでのパンディミックの発生のために2019年度後半から2020年度のフィールドでの調査活動などの実施ができなかった。そのため2020年度末に研究の延長申請を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
現在のコロナ禍の状況をみると、本研究の最終年度となる研究目的の達成のためにはアプローチの方法を以下のように変更せざるを得ないと考えた。 2020年度に予定していたAR(フィールドの放射線量の変化を測定する等の住民と協働しての調査実施等)のアプローチ方法をとらず、研究目的に沿って本研究の前半での実践記録と研究者が本研究と同様のARによる実践事例の記録とを上記に示したCDの3つの視点に基づき分析評価し比較検討し考察する。
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Causes of Carryover |
コロナ禍によって研究の進捗が遅れたため研究期間の延長申請を行い承認されたため。
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Research Products
(5 results)