2018 Fiscal Year Research-status Report
Ethical issues in the support process to community-dwelling older adults and the family
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17K12572
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
斉藤 恵美子 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 教授 (90251230)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
表 志津子 金沢大学, 保健学系, 教授 (10320904)
村田 加奈子 昭和大学, 保健医療学部, 講師 (70381465)
神崎 由紀 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (80381713)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 地域包括ケア / 高齢者 / 倫理 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、高齢者とその家族への支援過程での困難な事象と、支援過程での支援者と当事者の意思決定の契機や結果から、倫理的な課題を明らかにすることを研究目的とした。研究対象施設は、東京都福祉保健局公式ホームページ「地域包括支援センター及び在宅介護支援センター一覧」(2018年10月1日現在)で公開されている651施設のうち、地域包括支援センター449施設とした。これらの施設の看護職1名を研究対象者として、無記名自記式質問紙調査を実施した。 その結果、回収数は143件(回収率31.9%)であった。回答者の年代は、50歳代62人(43.4%)、40歳代39人(27.3%)、30歳代19人(13.3%)であり、雇用資格は、看護師77人(53.8%)、保健師31人(21.7%)であった。支援家庭の中で倫理的に迷い悩む状況を認識したことについては、「よくある」「時々ある」と回答した人は120人(83.9%)であった。倫理的に迷い悩んだ状況(複数回答)として、「利用者と家族の意向が異なり、何を尊重すべきか困った」と回答した人は101人(84.2%)、「利用者の意向と、専門職としての自分の判断とが異なり、何を尊重すべきか困った」と回答した人は69人(57.5%)、「利用者と近隣住民との意向が異なり、何を尊重すべきか困った」と回答した人は60人(50.0%)、「専門職としての自分の判断と、関係機関の意向とが異なり、何を尊重すべきか困った」49人(40.8%)、「制度と他の法制度との狭間で、何を優先して判断すべきか困った」49人(40.8%)の順であった。 倫理的に迷い悩む状況を認識したことがあるという回答は8割であり、その内容として、利用者と家族の意向が異なる場合に悩むことが多く、地域包括ケアでの意思決定支援の困難さの実態が明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
30年度は調査を実施し、特定の地域という限界はあるものの、一定の実態を明らかにした。また、29年度の文献検討の結果を関連学会で公表した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、これまでの調査結果から質問項目をより精選し、対象施設を拡大して質問紙調査を実施する予定である。また、昨年度の調査の成果については関連学会で発表する。
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Causes of Carryover |
これまでの研究費の使用計画として、より効率的に実施するため、次年度も引き続き調査票の発送等については委託することとし、調査票発送等委託費を計上する予定である。昨年度の業務委託により効率化できた人件費、物品費の経費については、この今年度分の委託費に計上する予定である。
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