2017 Fiscal Year Research-status Report
男性同性愛者の性的健康促進:当事者と学校保健職者双方への調査によるニーズの明確化
Project/Area Number |
17K12577
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
金子 典代 名古屋市立大学, 看護学部, 准教授 (50335585)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 性感染症 / セクシュアルヘルス / 養護教諭 / 男性同性愛者 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、若年期の男性同性愛者のセクシュアルヘルスに関する支援ニーズ、中学校、高等学校の学校保健職種が性的少数者へ提供する支援の実態と課題を明らかにすることを目指している。 平成29年度は、男性同性愛者の若年期におけるセクシュアルヘルス支援に関する実態調査や受けた支援の実態、学校保健職種に対する予備的調査を行った。 日本では諸外国に比べても若年期の男性同性愛者のセクシュアルヘルスの実態、どのような支援が有効かを検証した研究が少ない。西欧諸国では、学校内支援ガイドライン、当事者支援団体と学校の協働モデルが数多く示されていた。地域レベルでみても、当該地域に性的少数者への支援団体やサービスが充実している方が、HIVやSTIの発生抑制することも示されてきている。 A地域の学校保健職種を対象とした予備的調査では、養護教諭145名からの回答を得た。65%が勤務校にセクシュアルマイノリティの生徒がいると思うと回答し、30%が性の多様性について教育や支援を行った経験を有していた。生徒からの相談については、ゲイバイセクシュアル男性当事者は、女性の学校保健職種に相談することには抵抗があるのではないかという懸念がある実態も示された。学校保健職種には性の多様性に対応した環境づくりに理解があっても教職員全体では理解が低く、セクシュアルマイノリティにも対応した性教育の実施の困難があることが示された。また性感染症の中には、HIVなど治療の状況が著しく進歩しているにもかかわらず、新しい知識に追い付けておらず学習機会が少ないことも課題として抽出された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本来は、本調査の1回目をH29年度末に実施予定であったが、準備が遅れておりH30年度以降に実施することとする。
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Strategy for Future Research Activity |
計画通りにH30年度以降、研究遂行をすすめていく予定である。
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Causes of Carryover |
H29年度に実施予定であった本調査が実施できなかったため。
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