2022 Fiscal Year Research-status Report
20歳代女性の未来を守る子宮頸がん検診テーラード啓発プログラムの開発
Project/Area Number |
17K12581
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Research Institution | Ehime Prefectural University of Health Science |
Principal Investigator |
中越 利佳 愛媛県立医療技術大学, 保健科学部, 准教授 (70551000)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡崎 愉加 岡山県立大学, 保健福祉学部, 准教授 (50224001)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | HAPA / 子宮頸がん / 子宮頸がん検診受診行動 / 啓発教材 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究目的は、Health Action Process Approach(以下、HAPA)モデルが、20-30歳代女性の子宮頸がん検診受診行動に適合するかを検証するものである。これまでの縦断的観察研究により、HAPAは、20-30歳代女性の子宮頸がん検診受診行動を予測できるモデルであることを統計学的に検証できた。また、HAPAモデルは、これまでに検診受診を経験した対象者と検診受診を経験していない対象者の双方ともに適合することが明らかになったが、とりわけ、検診未受診者は、検診受診経験者よりもHAPAモデルの適合度が高いことが確認できた。 これまでの研究成果をふまえ、HAPAモデルの各概念に基づき、子宮頸がん検診受診意図別に必要な知識や検診情報にアクセスできるための子宮頸がん啓発リーフレットとWEB教材を開発した。子宮頸がんの基礎知識には、HPV予防ワクチンの情報を追加し、また、WEBサイトから県内産婦人科のHPにアクセスでき、検診受診の予約が取りやすいように工夫した。開発した子宮頸がん啓発リーフレットは、5自治体にHPVキャッチアップ接種の通知とともに配布された。また、愛媛県内の公立高校にも配布された。リーフレットとWEB教材は、見やすく説明がわかりやすい内容であると評価された。リーフレットを配布した自治体のうち二つの自治体では、20-30歳代の検診受診率が上昇した。また、一つの自治体では、リーフレット配布直後の2か月間は、昨年と比較して検診受診率が上昇したが、その後の受診率は昨年より減少傾向を示し、定期的な啓発介入の必要性が示唆された。高校生からは、HPV予防ワクチンキャッチアップの世代であり、ワクチン接種に関する疑問が解消したとの評価があった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
20-30歳代を対象とし、開発した教材を使用し、HAPAモデルに基づいた子宮頸がん啓発プログラムの介入と評価を実施する予定であったが、新型コロナ感染拡大により研究対象者をリクルートすることができず、自治体や教育委員会を通しての啓発リーフレットの配布のみにとどまってしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
介入研究が可能な大学・企業をリクルートし、啓発教材を用いたHAPAのプロセスに基づいた介入を行い、研究対象者が検診受診行動につながるかを検証する予定である。 現在、研究倫理審査委員会に提出するための書類を作成中である。
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Causes of Carryover |
今年度予定した子宮頸がん検診受診行動に向けた介入研究のために使用する予定であったが、COVID19 の感染拡大により、研究対象者のリクルートおよび啓発介入ができなかった。そのため、次年度に介入研究を行う予定としている。
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Research Products
(2 results)