2019 Fiscal Year Research-status Report
Research on construction of outreach systems for crime victims.
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17K12588
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Research Institution | Kyoto Koka Women's University |
Principal Investigator |
平井 和明 京都光華女子大学, 健康科学部, 講師 (60583820)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩崎 りほ 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 助教 (40760286) [Withdrawn]
齊藤 友子 大分大学, 教育学部, 講師 (00712564)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | セクシャルハラスメント / ハラスメント / 犯罪被害者 / パネル調査 / アウトリーチ / IT / IoT |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は被害者へのアウトリーチ方策検討として、セクシャルハラスメント・性暴力被害者自身がとる援助希求行動、利活用する社会的資源に関する調査を実施した。対象者の選定にあたっては、セクシャルハラスメント・性暴力被害者の特性(被害を申告し難い、受診し難い状況にあるや、対象になり得る方々の安全と安楽を阻害しないように配慮するために、パネル調査という選択をおこなう。他の調査方法では、犯罪被害者の方々が所属する団体や個人を対象にした場合、住所や個人の特定をされる恐れがあり、二次被害を与える恐れが高くなる。そのため、インターネット調査会社の一般モニターの中から無作為に対象になり得る人を抽出する方法(回答者が自由意思で調査内容を閲覧した上で回答する形式)をとった。結果として、512人の協力者から回答を得た。回答者の50%以上が「物を蹴るなど物に当たる」「性機能のことについて侮辱する」「避妊に協力しない」「経済的圧迫をする」「SNS上で中傷記事をあげる」「SNS上で許可なく画像を公開する」「ポルノ(アダルト)ビデオ、ポルノ(アダルト)雑誌を見せる」「異性との会話や行動に制限をする」「いつでも自分を最優先するように強要する」「束縛をする」「何を言っても無視する」「無断で相手の携帯を見る」「自分の価値観を相手に押し付ける」の項目において暴力被害を受けたと認識していた。そのうち、約7割が、「加害者からの報復が怖い」「プライバシーがどこまで公になるのかわからない」「信頼できる相談相手がいない」という理由から、相談や被害の申告を出来ない状況にあったことが分かった。具体的な支援策として求めることには、既存のシステム(会社での相談窓口の充実など)の充足に加え、インターネットを介した相談、アプリケーション、GPSの活用など、IoT、ITを活用した支援を求める意見が複数あることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
所属機関の欠員にともなう業務の増加により、本事業に対するエフォートの調整が必要となったため、若干計画の変更を余儀なくされた。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画を遂行するが、研究結果(ITを活用した支援のニーズ)や時勢の変化(対面式から遠隔)に応じてアウトリーチの方策を検討する必要性が出てきている。対人がベースとなるアウトリーチ方策は基盤として、アウトリーチの媒介をIoTやITを活用したものを使用することが、現状のニーズに即していると考えられる。今後は、より侵襲の少ない形での支援方策を検討し、実践につなげていく必要がある。
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Causes of Carryover |
所属機関の欠員にともなう業務の増加により、本事業に対するエフォートの調整が必要となったため、若干計画の変更を余儀なくされたため。
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