2019 Fiscal Year Annual Research Report
A Study on the Development and Dissemination of Teaching Materials for Preventing Sexual Problems in Special Needs Schools and Children's Homes
Project/Area Number |
17K12599
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Research Institution | Tokyo Health Care University |
Principal Investigator |
渡會 睦子 東京医療保健大学, 医療保健学部, 教授 (50360003)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 特別支援学校 / 児童養護施設 / 性問題 / 人工妊娠中絶 / 妊娠 / 虐待 / 予防 / 教材 |
Outline of Annual Research Achievements |
思春期における性問題の発生は自己肯定感の低さと関係していると言われている。特に特別支援学校・児童養護施設には被虐待経験を持つ児が多いため、教師・職員・保健師は望まない妊娠・人工妊娠中絶等の性問題への対応業務が多く、high-risk集団としての検討が急務となっている。本研究では、これまでpopulation approachとして開発した、保健行政・学校行政恊働型の思春期問題対策教材を活用し、high-risk approachとして特別支援学校・児童養護施設における児の背景と性問題を分析し、特別支援学校・児童養護施設における性問題予防教材の開発・普及を目的とした。 性問題予防教材検討のため、児童養護施設職員223名を対象に性問題に関する紙面調査を実施した。本研究対象職員の担当児の年齢は小舎制で担当するため、幼児から高校生まであらゆる世代である。本調査では、これまで支援した性的トラブル(性行為・援助交際・売春・性加害・性被害・性感染症・人工妊娠中絶・その他)の経験がある子どもたちの特徴としては、「自尊感情・自己肯定感が低下している」が54.3%と最も多く、次いで「見捨てられ感」49.3%、「他者への依存性が高い」44.8%、「バウンダリー形成が曖昧」42.2%、「他者の言動に流されやすい」41.3%の認識があった。また、「性の健康発達が阻害されている」7.6%、「性についての恥や罪の意識がある」9.0%の認識は低かった。知的障害・発達障害を持つ児を担当する職員は42.6%であった。 このほか、特別支援学校・児童養護施設のフォーカスインタビュー、聞き取り調査などを繰り返し行い、性問題予防教育教材の検討を行った。身近な大人からの愛情を得て自己肯定感を高める教育、今後の性問題予防も含め、PowerPoint教材や小舎制で活用しやすい紙芝居の開発・活用を行った。
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