2019 Fiscal Year Research-status Report
特別豪雪地帯の無医地区において高齢者を在宅で看取るケアシステムの構築
Project/Area Number |
17K12600
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Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
小山 歌子 新潟医療福祉大学, 看護学部, 教授 (70727346)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 直子 新潟医療福祉大学, 看護学部, 講師 (60646644)
宇田 優子 新潟医療福祉大学, 看護学部, 教授 (70597690)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 山村過疎地域 / 終末期 / 高齢者 / 住民参加 / 地域の互助 / 生活障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究の目的は医療資源不足・過疎化が進展する特別豪雪地帯の無医地区において、高齢者を在宅で看取るケアシステムを構築することである。この目的を達成するために、①いつでも医療が受けられる看取りのケアシステムの構築②介護保険等サービス利用阻害要因の分析③住民参加によるケアシステムの構築の3つを2017年度~2020年度の4年計画(1年延長)で行う。 2017年度は、いつでも医療が受けられる看取りのケアシステムの構築に向けて、2016年度実施した医療サービス提供機関への聞き取り調査結果を踏まえ、医療サービス提供機関等の代表者にアンケート調査を実施し、その後、アンケート対象者からなる検討会を1回開催した。その結果、1. 必要な時にいつでも医療を受けられる看取りのケアシステムは構築されつつあり、それを可能にする要因が明らかになった。2.医療提供者から見た在宅死を可能にする条件が明らかになった。3. 介護支援専門員への聞き取りから介護保険等サービス利用の阻害要因は低収入と家族介護力等であることが明らかになった。 2018年度は、24時間365日医療提供体制の維持・発展に必要な準備について検討した結果、①医師及び看護職員の確保・育成、②医療資源の有効活用に向けた住民意識の醸成、③テレビ電話による遠隔診療等の推進、④ICTの活用に向けた体制づくり、⑤行政機関間の連携強化による既存の制度の改正の必要性が明らかになった。 しかし、在宅で高齢者を看取った家族の思いや在宅看取りをどのように評価しているか、明らかになっていない。住民参加による高齢者を在宅で看取るケアシステムを構築する上で高齢者を在宅で看取った家族への聞き取りは不可欠と判断し、2018年度・2019年度は在宅で看取った家族に対して聞き取り調査を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1.在宅で看取った家族の思いや在宅看取りの評価について、明らかになっていない。高齢者を在宅で看取った家族のニーズを明らかにすることにより、地域に即した高齢者を在宅で看取るケアシステムの構築が可能となる。そこで当初の計画にはなかったが、2018年度・2019年度は高齢者を在宅で看取った家族に対して聞き取り調査を実施したため。 2.住民参加による高齢者を在宅で看取るケアシステムの構築は、検討会を開催して進める予定であったが、会議の構成員は対象地域内の他の会議の構成員とほぼ同じで、構成員間の関係性から活発な意見交換が期待できないと判断した。検討会に代わるものとして、高齢者を在宅で看取った家族への聞き取り調査結果から住民参加による高齢者を在宅で看取るケアシステムの構築を検討することは可能と判断し実施したため。
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Strategy for Future Research Activity |
1.在宅看取り家族への聞き取り調査結果の分析とまとめ 2. これまでの研究結果を踏まえ、住民参加による高齢者を在宅で看取るケアシステム の構築についてまとめる。 3.報告書の作成
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Causes of Carryover |
【理由】 研究の進捗状況がやや遅れていることと、研究方法を「住民参加による高齢者を在宅で看取るケアシステムの構築に関する検討会」の開催から、高齢者を在宅で看取った家族への聞き取り調査に一部方法を変更したため。
【使用計画】2020年度は、これまでの研究成果をまとめ、学会で発表するとともに、報告書を作成し、関係機関に冊子等の印刷物を送付する。また、研究対象地域の住民が最期を迎える場等を考えてもらうきっかけづくりとなるように研究結果を印刷物等により情報提供を行う。以上のことに予算を使用する予定である。
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