2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K12642
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
深作 亮也 九州大学, 数理学研究院, 助教 (40778924)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 計算代数 / 数式処理 / 包括的グレブナー基底 / 限量子消去 / パラメータ付き多項式イデアル |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度である2019年度は本研究課題「包括的グレブナー基底系による限量子消去の効率化」のために2つの側面からアプローチした。 (1) パラメータ付き零次元飽和イデアル効率化 (2) 根基イデアルの概念を利用した出力の簡略化 (3) パラメータ付き極小ボーダー基底の導入 (1) については前年度採択された論文が国際ジャーナル Mathematics in Computer Science に掲載された。包括的グレブナー基底系による限量子消去の核となる部分ではパラメータ付き零次元飽和イデアルによって簡略な出力を構成し、それをアルゴリズム・実装の効率化につなげている。一般にパラメータ付き零次元飽和イデアルの計算が簡単ではないが、この限量子消去アルゴリズムの核の部分において計算されるエルミート二次形式の概念を利用することで効率化を果たしている。(2) については当該年度以前から取り組んできた根基イデアルの概念を利用した出力の簡略化に関する理論が完成しつつある。特にパラメータを含むような状況における理論である。今後国際ジャーナルに成果を投稿したいと考えている。(3) については国際会議 Mathematical Aspects of Computer and Information Sciences - 8th International Conference, MACIS 2019 に採択され、国際的な場で成果を発表できた。今後はパラメータ付き極小ボーダー基底に関して更なる新しい理論を構築し、国際ジャーナル等に投稿する予定である。また、当該年度は応用面からの研究も多く達成することができた。応用面からの研究で得た実験データを本研究課題の発展に繋げたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究課題について2019年12月頃まで以下にも取り組むことができ、その成果を発表できてきたため、おおむね順調に進展していたと考えている。 (1) パラメータ付き零次元飽和イデアル効率化 (2) 根基イデアルの概念を利用した出力の簡略化 (3) パラメータ付き極小ボーダー基底の導入 一方で、2020年に入ってから新型コロナウィルス (COVID-19) の影響で研究集会等が中止となり、研究を議論できる場が減ってしまった影響からやや遅れが生じてしまっていると考える。2020年度もこうした状況が続く可能性がある。何人かの共同研究者とはオンラインを介した研究打ち合わせをスタートした。2020年度中はこうした場で研究に関する議論を行い、本研究課題を発展させ、国際ジャーナル等に投稿したいと考えている。 また、当該年度以前から取り組んでいる根基イデアルの概念を用いた効率化についても, 引き続き, 研究してきた. 興味深い成果も出てきたため, こうした成果を国際ジャーナルに投稿することを検討している。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題について今後は以下を行い、発展させる。特に研究者との議論はオンラインで行い、以下に関して助言を得ながら、確実・着実に推進したと考えている。 (1) 根基イデアルの概念を用いた効率化のために、これまでパラメータ付きイデアルに関する根基イデアルとエルミート二次形式の関係性について研究してきた。いくつか興味深い結果を得ることができているので、まずは、この成果を論文として国際ジャーナルに投稿する。 (2) パラメータ付き極小ボーダー基底に関して更なる新しい理論を構築し、本研究課題を発展させる。 (3) 本研究課題で扱っている限量子消去を、実数領域を扱う数理科学分野に応用し、実際の実験データを収集する。そして、本研究課題で扱ってきた包括的グレブナー基底系による限量子消去の効率化に繋げる。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス (COVID-19) 流行の影響で2020年2月から3月までの研究集会・研究打ち合わせのキャンセルを余儀なくされたためである。2020年度中もこうした影響は続く可能性があるため、国際ジャーナル投稿を目指した論文の英文校正に使用することを検討している。
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Research Products
(3 results)
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[Presentation] On Parametric Border Bases2019
Author(s)
Yosuke Sato, Hiroshi Sekigawa, Ryoya Fukasaku, Katsusuke Nabeshima
Organizer
Mathematical Aspects of Computer and Information Sciences - 8th International Conference, MACIS 2019
Int'l Joint Research