2019 Fiscal Year Research-status Report
粗粒度再構成可能アーキテクチャを用いた無線メディア処理システムに関する研究
Project/Area Number |
17K12656
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
今川 隆司 立命館大学, 情報理工学部, 助教 (90771395)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 再構成可能アーキテクチャ / 動画像符号化 / フレーム補間 / 無線伝送 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までに検討していた粒度選択型再構成可能アーキテクチャを対象として,動画像符号化や無線変調処理の中で特に計算量が多いフーリエ変換等の処理のマッピングと配置配線を行い,実装された回路の性能見積もりを行った.その結果,想定するシステムが要求する性能には現時点では到達しておらず,アーキテクチャ,マッピングアルゴリズムおよび配置配線アルゴリズムの多方面からの改善が必要であることが明らかとなった.これに対し各アルゴリズムの調整を進め,要求される性能への到達に向けた目処をつけることができた. 本課題における動画像無線伝送は前年度同様,センサ側で取得したフレームに対して,一部の画素を間引くことでサイズを縮小して伝送し,受信側では各縮小フレームに該当する時刻の,元々のサイズのフレームを生成する,補間フレーム生成処理を行うことを想定する.これに対し今年度は縮小フレームの拡大や変形処理にニューラルネットワークベース手法の適用を検討した.その結果,これまでに検討してきた,特徴点の補間や変形失敗の検出といった手法と組み合わせることで,生成される補間フレームの品質を更に向上できることを示した. 前年度にはRaspberry Pi上でH.264などによる動画像符号化を行い,その際にデバイスが消費するエネルギを測した.これに対し本年度は,用いる符号化方式について,H.265やVP9,JPEG 2000やJPEG XSといった,より新しいものを対象とした.また,エネルギの測定に関しても,符号化だけでなく無線伝送までを含めた測定を行った.その結果,静止画像向けの符号化方式の方がエネルギ効率が良く,特にJPEG XSに関しては,今後のソフトウェアの改善に伴って,より大きなエネルギ効率の改善が期待できることが明らかになった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
再構成可能アーキテクチャに関しては,現時点で要求される性能を満たせてはいないが,改善に向けた検討により,要求への到達の目処がついている.また一方で,画素間引きにより縮小されたフレームを基に生成される補間フレームの高品質化や,無線伝送までを含めた,エネルギ効率の観点からの動画像符号化方式の比較を前年度から更に進めることができ,本課題で構築するシステムの応用に向けた検討を進めることができた.このことを鑑みて,本研究課題全体としては順調に進展していると考える.
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Strategy for Future Research Activity |
最終的な無線動画像伝送のデモ環境の構築に向けて,CGRAのアーキテクチャのパラメタ調整や,アプリケーション回路に対するマッピングおよび配置配線アルゴリズムの調整を進める.また構築したデモ環境や,そのシミュレーション環境を用いて,性能や消費電力および消費エネルギーの評価を行い,提案システムにおける動画像伝送の効率を定量的に評価する.この中で,アプリケーション開発のためのCAD環境が,より使いやすいものとなるように,今年度同様整備を進めていく.また,補間フレーム生成に関しても,より補間フレームが生成できるように,ニューラルネットワークのモデルの見直し等を行う.
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Causes of Carryover |
2019年10月に台湾にて開催されたSASIMI 2019での研究発表に際しての旅費が,為替レート等の関係で想定よりも安価になったために,次年度使用額が生じた.次年度での,最新の画像処理および動画像符号化に関する情報収集のための書籍購入などに使用する予定である.
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Research Products
(1 results)