2018 Fiscal Year Research-status Report
フリップフロップの記憶保持特性を利用したトランジスタ特性ばらつきセンサ
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17K12657
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
西澤 真一 埼玉大学, 理工学研究科, 助教 (40757522)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | トランジスタ特性ばらつき / フリップフロップ / プロセスモニタ |
Outline of Annual Research Achievements |
集積回路はその高性能化と低消費エネルギー化が強く求められているが,これらの実現を阻む大きな問題として製造プロセスに起因するトランジスタ特性ばらつきがあげられる.トランジスタ特性ばらつきの影響を軽減する手法として,電源電圧や閾値電圧をチップごとに変化させることでトランジスタ特性を補償する技術が提案されているが,トランジスタ特性を適切に補償するためには個々のチップにおけるトランジスタ特性ばらつき量を正確に測定する必要があり,そのためのプロセスモニタ回路をいかにコンパクトに実現することが重要である. 本研究では,チップ中に存在するフリップフロップに注目し,これらの記憶保持特性の違いから個々のチップにおけるトランジスタ特性変動量を推定する.機能テスト用に既に埋め込まれているスキャンフリップフロップをプロセスモニタ回路として流用することで,追加コストをかけずにトランジスタ特性変動量を推定する. 本研究課題に対し,2018年度は実シリコンでの実証を行うために2018年7月にチップ試作を行い,2019年2月にファブアウトされた試作チップに対して評価を行った.本試作ではチップに対して基板バイアスを印加可能な構成にすることで,基板バイアスの変化に応じてばらつき量の推定結果が追随する結果が得ることができた. また,集積回路中には複数のフリップフロップが存在することに注目し,記憶保持特性の異なるフリップフロップを作り分け,これらの記憶保持特性の違いからばらつき量の推定を短時間に行う提案を行った.2018年7月の試作チップに搭載し現在評価中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
記憶保持特性の異なるフリップフロップ群からプロセスばらつき量を推定する課題において,試作したチップにおける実測結果とシミュレーションの結果に相違がある.その原因として一つはトランジスタモデルの精度があげられる,また測定環境についても改善の余地がある.プロセス変動量の自己診断回路について検討ができておらず,この点を早急に検討する.
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きテストチップの実測結果とシミュレーション結果との相違の原因について検討するとともに,これらの問題を解決するモニタ構造について次回のチップ試作に搭載し評価する.またばらつき量の自己診断の方法についても検討する.
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Causes of Carryover |
前年度の計画ではテストチップの製造委託費などを支出する予定であったが,2018年に採択された共同研究の資金から支出することが可能であったため,その分次年度使用額に繰り越された.本年はこの繰り越された基金を効果的に使うことで,本来手が届かなかったLSI評価装置の購入に利用したい.
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Research Products
(1 results)