2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K12660
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
三宅 庸資 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 研究職員 (60793403)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 温度センサ / 電圧センサ / デジタルセンサ / リングオシレータ / LSIテスト / VLSI設計技術 / ディペンダブル・コンピューティング / FPGA |
Outline of Annual Research Achievements |
スーパコンピュータや大規模サーバに利用されるMPUは,チップ内の温度や電圧により性能が大きく変動するため,システムの高性能化および高信頼化には,チップの発熱状況や電圧変動を監視し,その状況に合わせた電力制御や性能最適化が重要である.本研究では,従来のアナログ回路を使用したセンサ技術とは異なり,短時間(0.1msec以下)測定かつ,MPU等のデジタル回路に隣接して配置可能な,小型高速動作デジタル温度電圧センサ技術の開発を目的とする.具体的には,リング発振器(RO:Ring Oscillator)をベースとするセンサ回路の構築,製造バラツキの影響を低減する補正手法の開発,ROの周波数から温度と電圧を算出する演算回路の開発を行い,オンチップデジタル温度電圧センサ技術の確立を目指す. 研究の目的を達成するために,超微細テクノロジにおけるROの特性評価や,製造バラツキの影響を低減可能なキャリブレーション手法の開発を実施した. (1)超微細テクノロジにおけるROの特性評価:20nmCMOSテクノロジを用いたシミュレーション評価を実施し,45nm以前のCMOSテクノロジとは異なり,RO特性の傾向が逆転する現象が生じることを確認した. (2)製造バラツキの影響を低減可能なキャリブレーション手法の開発:初回測定時に既知の値と仮定することが可能な温度2点の測定値を用いて,製造バラツキの影響を低減可能なキャリブレーション手法を開発し,有効性を評価した. 現在までに,(1)の一部と(2)を完了させ,国内研究会やLSIテスト関係の国際会議International Test Conference in Asia 2017で成果発表を行った.また,企業と共同で本提案課題のセンサ技術の有効性を評価するなど,提案センサの実用化に向けた検討などが進められている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までに,研究の目的を達成するため,(1)超微細テクノロジにおけるROの特性評価や,(2)製造バラツキの影響を低減可能なキャリブレーション手法の開発を実施しており,それぞれ,おおむね順調に進展している.理由は以下の通りである. (1)超微細テクノロジにおけるROの特性評価:RO特性の評価や製造バラツキがセンサの測定誤差に与える影響を評価するため,65nm, 45nm, 20nmなどの様々なCMOSテクノロジを用いたシミュレーション評価を実施している.特に超微細テクノロジ(20nm)では45nm以前のCMOSテクノロジとは異なり,RO特性の傾向が逆転する現象が生じることを確認した.これらの評価のために測定したデータは,センサに用いる3種類のROの最適な組合せなど,測定精度の高精度化に向けた検証にも活用する予定である. (2)製造バラツキの影響を低減可能なキャリブレーション手法の開発:温度電圧センサの超微細テクノロジへの対応を検討するために,超微細テクノロジ特有のRO特性や製造バラツキの影響を低減可能なキャリブレーション手法の開発を行い,有効性の評価を行った.初回測定時に既知の値と仮定することが可能な温度2点の測定値を用いて,RO特性(温度依存性)を補正可能な新規キャリブレーション手法の開発を行い,特性評価で得られたデータを用いて手法の評価を行うことで,初回の温度と実測時の温度差が大きくなった場合に生じる測定誤差の拡大を低減可能なことを確認している.
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Strategy for Future Research Activity |
2018年度は,(1)超微細テクノロジにおけるROの特性評価,(2)製造バラツキの影響を低減可能なキャリブレーション手法の開発,に引き続き,(3)温度電圧演算回路の開発およびセンサ全体の基本構造の構築の項目について研究を推進していく. (1)超微細テクノロジにおけるROの特性評価:様々な評価・検証にRO特性データを用いるため,評価データの拡充を図る. (2)製造バラツキの影響を低減可能なキャリブレーション手法:シミュレーション評価データだけでなく実チップ評価データも用いて,更なる有効性の評価を実施する. (3)温度電圧演算回路の開発およびセンサ全体の基本構造の構築:チップ上のROの周波数から温度と電圧を算出する演算回路,および演算処理を実行するための制御回路を開発する.温度電圧の演算処理はセンサ内のROカウント値の値を読み出して計算式に当てはめて算出する.演算手順および演算器の実装方法により回路面積や演算速度が異なるが,まずは,温度電圧演算回路やセンサ全体の基本構造の確立を優先して行い,センサの測定時間や面積等の評価を実施する. 小型で高速なデジタル温度電圧センサ技術は,温度電圧の算出処理も完全デジタル処理で実現させるため,開発の初期段階では,FPGAも動作検証に活用し,研究を推進していく予定である.
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Research Products
(5 results)