2017 Fiscal Year Research-status Report
劣通信環境における攻撃耐性を備えた高信頼通信システムの構築
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17K12679
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
木村 共孝 東京理科大学, 工学部電気工学科, 助教 (20756382)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 劣通信環境 / セキュリティ技術 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年,大規模災害の発生時など通信インフラのない劣通信環境における通信技術の研究が盛んに行われている.既存技術はすべてのノードが協力的であることを前提として研究開発されてきたが,実際にはネットワークをこわす攻撃が仕掛けられる恐れがあり,劣通信環境下の通信技術は攻撃に極めて脆弱である.脆弱性を解消するためにインターネットにおけるセキュリティ技術を用いれば良いようにおもえるが,ノードの密度が疎な劣通信環境下では,つねに接続できるサーバや認証局がないため,その適用は困難である.よって,信頼度の高い情報収集を行うには,劣通信環境下に適したセキュリティ対策の確立が必要不可欠である.また,劣通信環境下の通信技術は期待されているものの,実用化がほとんど進んでおらず,脆弱性の解消なくして,その実用化は困難である.そこで,本研究では,劣通信環境で発生する特有の攻撃を複数想定し,それらの対策を提案することで,実用に耐え得る高信頼・高セキュアな通信システムの確立を目指している. 平成29年度は劣通信環境特有の攻撃の一つであるアンチパケット偽造攻撃に着目し,その攻撃の振る舞いを理論解析によって明らかにした.理論解析の結果に基づき,アンチパケット偽造攻撃の対策法として,攻撃を仕掛けているノードを特定する方法を考案した.計算機シミュレーション実験によって,考案した対策法の性能評価を行い,その有効性を示した.さらに,当初計画では,平成30年度に予定していたフラッディング攻撃の理論解析についても着手し,フラッディング攻撃の振る舞いを明らかにした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画通りにおおむね順調に進んでおり,研究成果を論文誌や国内研究会で発表できている.さらに,当初計画では,平成30年度に予定していたフラッディング攻撃の理論解析を前倒しして着手できている.
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度はおおむね順調に研究を進められたため,引き続き研究計画に沿って進めていく.平成29年度に提案したアンチパケット偽造攻撃の対策法を改良し,国際会議や研究会でその成果を発表する予定である.
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Causes of Carryover |
計算機を購入しなかったため,次年度使用額が生じた.次年度の早い時期に計算機を購入する予定である.
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