2019 Fiscal Year Research-status Report
Collaborative Information Sharing System based on Spatio-Temporal Mapping of Heterogeneous Media
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17K12686
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
王 元元 山口大学, 大学院創成科学研究科, 助教 (00736217)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ビッグデータ分析・活用 / 異種メディア / 時空間情報 / 情報推薦 / コミュニケーション / 情報共有 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、ソーシャルネットワークサービス(SNS)とWebの異なるメディアを融合し、それらから時空間情報を抽出しマッピングすることで、双方の欠点を補う信頼性・速報性・網羅性の高い集約情報の抽出・共有支援システムを構築し、相互活用システムの利便性を飛躍的に向上させることを目的としている。
初年度である2017年度は、[A] SNSデータの時空間統合分析手法の開発と評価に取り組んだ。2018年度は、2017年度により開発された基礎技術の応用として、[B] 異種メディア間のシームレスなマッピング手法の開発のため、B-1) 異種データ間の時空間的な関連性抽出手法の開発と評価に取り組んだ。その結果、時空間的変化を直感的に理解するための可視化(写真やタグクラウド等を利用)、関連施設(観光スポットや店舗、駅等)の推薦を行った。2019年度は、2018年度に引き続き、B-2) 異種メディア協調型情報共有支援システムの構築に取り組んだ。そのために、まず、SNSデータで使われている言語に着目し、日本国内のTwitterのジオタグ付きツイートデータとFlickrのジオタグ付き投稿写真データから投稿内容に含まれている方言を抽出した。次に、その方言の発言時刻と発信場所を観測しマッピングすることで、時間帯ごとにその方言がよく使われている地域を発見した。最後に、言語と時空間情報に基づく異なる地域同士の関連性発見および方言分布の可視化による情報共有支援システムを開発した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題では、2019年度の研究実施に関して、おおむね順調に進展している。
本年度は、SNSデータで使われている言語に着目し、日本国内のTwitterのツイートデータとFlickrの投稿写真データからの方言抽出、その方言の発言時刻と発信場所を用いた方言分布の検出を行った。また、言語と時空間情報に基づく異なる地域同士の関連性発見および方言分布の可視化による情報共有支援システムの構築も進めた。
言語と時空間情報に基づく異なる地域同士の関連性発見および方言分布の可視化に関する論文は、国際学術書籍のブックチャプターやWebと地理情報システム分野で最高峰の国際会議(W2GIS、JCDL、SIGSPATIAL、ICCC等)のフルペーパーやデモンストレーションとして採択された。このように、一定の進捗と成果をあげており,おおむね順調に進展することができた。ただ、初年度に出産に伴う休業と育児のため、研究遂行期間を想定以上に要し、多くの研究成果の発表機会を失った。また、本年度に情報共有支援システムの開発が予定より時間がかかり、評価の結果をまとめるに至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、2019年度に採択された成果発表に加え、データ収集の範囲にヨーロッパやアジア圏に拡張し、SNSデータ分析を時空間情報ならびに多言語を考慮することで、異なる国や地域同士の関連性発見による異文化間での情報推薦・共有支援を実現する。
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Causes of Carryover |
2019年度は、被験者による情報共有支援システムに関する評価実験を実施し、その結果をまとめて発表する予定であった。しかし、新型コロナウイルス感染症拡大のため、国際会議での発表が延期となり、本年度内に発表を行うことができなかったため、次年度に国際会議発表および論文誌投稿のため延長申請をし、次年度の使用額が生じた。また、自然言語処理や機械学習の最新動向を調査し、さらなる精度向上を図るためのシステム改良、被験者実験調査ならびに学会参加も行う。
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