2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K12707
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
羽鳥 康裕 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 研究員 (30750955)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 視覚 / 行動 / 注意 / 予測 / 心理物理学 / 視覚情報 |
Outline of Annual Research Achievements |
動的に変化する環境における振る舞いを決定する上で、次に起こるイベントを予測することは重要である。特に、自己運動は次に起こりうるイベントを予測する上で重要な手がかりとなることから、脳の情報処理に影響を与えることが考えられる。本研究は、自己運動が知覚や脳活動に与える影響を検討することを目的とする。 当初の研究計画では、今年度はfMRIを用いた脳活動計測を予定していたが、fMRIを用いた実験を行うことが困難であったため、今年度は心理物理実験やデータ解析を中心に行い、次年度に脳活動計測を行うこととした。 まず、自己運動として随意的な頭部運動に着目し、頭部運動が継時刺激効果に対して与える影響を検討した。継時刺激効果とは、現在の知覚が過去に呈示された刺激によってバイアスされる現象である。網膜上での刺激位置は一致するが、頭部方向が異なる場合に継時刺激効果が生じるかどうかを調査した。頭部方向の一致/不一致によって継時刺激効果の程度に差は見られなかった。また、網膜上での刺激位置の一致/不一致によって継時刺激効果の程度が変わるか検討したところ、効果量に差は見られなかった。しかし、試行間の時間間隔が長いため、効果が得にくいという課題も明らかとなった。この成果は国内学会で発表を行った。 次に、自己運動の意図が視線に与える影響の検討を開始した。具体的には、ドライビングシミュレータのような仮想的な運動を生成するデバイスを操作する際の手と視線の協調的な運動の検討を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初の計画では今年度fMRIを用いた実験を行い、この結果を基に次年度に論文を投稿する予定であったが、他業務との兼ね合いで実験を遂行することが難しいという状況であった。研究代表者の異動に伴い、前述の状況は解消されたため、次年度より実験に着手する。このような状況のため遅れていると評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
年度の前半に脳活動を計測する実験を行い、その後データ解析と論文執筆を行う予定である。データ解析と並行して心理物理実験を行うことにより、進捗状況の遅れを解消したいと考えている。
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Causes of Carryover |
今年度実施できなかった実験を次年度に実施するため、実験参加者に対する謝金として主に用いる。また、研究成果を発表するための国内学会の旅費としても充当する予定である。
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