2020 Fiscal Year Annual Research Report
Extension of wavelet transforms and their applications to multidimensional data analysis
Project/Area Number |
17K12716
|
Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
藤ノ木 健介 東海大学, 理学部, 准教授 (80613629)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | ウェーブレット / 時間周波数解析 / フレーム / 信号処理 / データ解析 / 画像処理 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では多次元におけるウェーブレット解析について4年間の研究を行った。初年度である2017年度は、申請者がこれまでに提案した平面における2次元のウェーブレット変換をさらに改良し、方位選択性をさらに向上することで画像処理における優位性を確認した。 2018年度には、平面における時間周波数解析手法である二次元のウェーブレット解析について調査研究を行いながら、初年度に開発した手法のさらなる改良を進めた。要求される条件を緩めて、より柔軟な枠組みの中でデータ解析に主眼を置いた線形変換の開発についても取り組んだ。データを点列として扱うことで、自由度の高い変換の設計が実現できる可能性を見出した。この研究の流れの中でフレームに関連する既存研究のレビューも行い、申請者がこれまでに提案してきた方位選択性を有する重複ウェーブレット変換との関連性を明確にした。 2019年度から2020年度にかけては、前年度に方向性を見出したフレームと線形点列変換をさらに深掘りして研究に取り組んだ。フレームとマルチレート信号処理の関連性を多次元で精査し、ウェーブレットフレームを生成するためのユニタリー拡張定理において、多次元マルチレートリフティングスキームの観点から考察を行なった。一方で、点列データ解析を行う線形変換として、画像の4近傍画素の相関を分析するハールライク直交変換を提案した。4近傍画素の取り方は一意ではなく、この選択肢が画像処理へ与える影響について、画像の非線形近似とボケ画像からの復元問題に対して計算機数値実験によって比較検討を行ない、従来法よりも良好な結果が得られる場合があることがわかった。改良を重ねてきた方位選択性を有する変換手法についても、エッジ検出に対する数値実験の結果を積み上げ、従来法との比較を通じてその優位性を示した。
|