2019 Fiscal Year Research-status Report
Algorithms for Multi-Agent Path Finding with Adversarial Settings
Project/Area Number |
17K12744
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
波多野 大督 国立研究開発法人理化学研究所, 革新知能統合研究センター, 特別研究員 (10709728)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 協力ゲーム理論 / 提携構造形成問題 / 優モジュラ関数 / シャプレイ値 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和1年度では,主に以下の2点について研究した. 1. 平成30年度に提案した,提携を提供するプレイヤーへの利益を考慮した提携構造形成問題に対するアルゴリズムの提案 2. 許可制約を考慮した線形コスト関数をもつ協力ゲームのモデル化 令和1年度では,平成30年度に提案したモデルである,提携を提供するプレイヤーへの利益を考慮した提携構造形成問題に対して,特に特性関数が優モジュラ性を満たす問題に対して,多項式時間で最適解を求めるアルゴリズムを提案した.また,提携の個数やサイズに対する制約を考慮した問題に対して最小重みマッチングアルゴリズムに基づいた近似アルゴリズムを提案した.また,タクシーシェアリングなどの実応用問題に対して適応可能であることを示した. 次に,マルチエージェント経路探索において,エージェント間に優先順位がある問題について考慮した.一般的に,あるエージェントが他のエージェントの経路を妨害している位置関係になっていることが多い.この関係はあるエージェントが移動をするのに他のエージェントの許可を要すると考えることができる.この場合,より自由度の高いエージェントの優先度は高く,先に移動させることにより他のエージェントの移動経路を広めることができる.しかし,複数エージェントが協力しないとあるエージェントの道が開けない場合や許可,被許可の関係が完全順序になっていない場合が一般的である(つまり,半順序になっている)ため,エージェント間の完全順序を決められる方法が必要であると考えた.そこで,本研究課題では,完全順序を決定する方法として,協力ゲームの解概念の一つであるシャプレイ値に注目し,効率的なアルゴリズムの構築を目標とした.令和1年度では,"Cooperative games on permission structures"と呼ばれる協力ゲームを基に許可制約下の問題をモデル化した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成30年度に提案したモデルである,提携を提供するプレイヤーへの利益を考慮した提携構造形成問題に対する効率的なアルゴリズムを開発できたため,おおむね順調に進展していると考えるが,当初の予定よりも強い仮定が必要となってしまったため,この仮定がどの程度まで弱められるかが実問題へ応用する観点からも今後の重要な課題となると考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度では,まず,提携を提供するプレイヤーへの利益を考慮した提携構造形成問題に対する効率的なアルゴリズムに必要な仮定を弱められるかという課題についてまず取り組む.その解決方法として,現在"peer group game"の性質を利用できる可能性について着目している."peer group game"は現在考慮している仮定とほぼ同等のものを仮定しているため,そのアイデアを利用できる可能性は高い. 次に,エージェント間の優先順位を決定する方法として,"Cooperative games on permission structures"を基にモデル化した問題のシャプレイ値を効率的に計算する方法を開発する予定である.
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Causes of Carryover |
研究協力者であるPavel Surynek氏との共同研究のためチェコに訪問を予定していたが,双方の予定が合わなかったため.
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