2018 Fiscal Year Research-status Report
Evolutionary Soft Robotics for Traveling Rough Terrain at Disaster Site
Project/Area Number |
17K12756
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
小川 純 山形大学, 有機材料システム研究推進本部, 准教授 (20773724)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ソフトマターロボティクス / 災害対応ロボティクス / テレオペレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究計画では,ソフトロボティクス観点から災害対応ロボットの作業を効率化するための知見を集約し,数値解析と進化計算技術を導入することで望ましい作業性能を獲得するための弾性部品と剛性部品の形状することを目的としている.そこで本年度は,災害対応ロボティクスにおいて弾性部品による身体性拡張がもつ作業効率性について検証するため,次点について重点的な研究を遂行した. 1)ソフトマター3DCADシステムからシリコンゴム化剤によるソフトボディの造形技術の提案 2)災害対応ロボットのエンドエフェクタに対するソフトマターによる身体性拡張効果の検証 項目1おける検証では,会津大学は保有する災害対応ロボットSpiderのロボットアームJACO2のエンドエフェクタを対象とした身体性拡張を実施している.EcoFlexと呼ばれるシリコンゴム化剤と弾性体数値解析ソフトウェアVoxCADからを設計された指形状の鋳型を組み合わせ,ロボットの指に密着型サポータを造形する技術を提案した.項目2において,作成したロボットハンドのソフトグリッパについてロボットの世界大会WRS2018の災害対応標準性能部門で採用された把持タスクを対象とした把持性能の検証実験を行なった.本検証実験は,双腕ロボットによるバルブ開栓と狭小空間からの棒引き抜きを遠隔操縦で行うものであり,従来のロボットハンドとソフトグリップを装着したロボットハンドでその性能を定量的に評価した.その結果から,与えたタスクの難易度はソフトマターにより易化し,オペレータに厳密な制御コマンドを要求する必要がないことが示された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
災害対応ロボットの標準性能を競うWRS2018において,本研究の成果によるソフトグリッパは把持タスクにおいて優れた成績を残している.この結果は本研究の弾性部品と剛性部品を融合して災害対応ロボティクスに貢献するという目的を達成したものと判断できる.
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Strategy for Future Research Activity |
研究代表者はこれまでの研究成果を通して,災害対応ロボットの性能をソフトロボティクスの観点から飛躍させるためには,ソフトマターの持つ機能性を情報処理技術により引き出すことが求められていると認識している. 活動拠点をソフトマターの材料科学および3D造形において世界的研究拠点のひとつである山形大学に移し,機械学習技術と組み合わせることで必要とされる非線形特性をもつ弾性部品を最適化技術から造形する手法を確立する.また,その過程で創出された成果物を報告し,災害対応以外の分野に対する社会貢献も目指す.
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Causes of Carryover |
本年度は,当初の計画にあるソフトウェア技術の開発費用の一部に対して,別の補助金を利用可能な事例が発生し,その差額が次年度使用額として残留した. 翌年度は次年度使用額分を実績報告の活動費(国際会議および論文掲載費)に補填し,当初の計画通り実施する.
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