2017 Fiscal Year Research-status Report
時系列マルチモーダル情報の分節化と分類に基づくロボットの概念モデルの構築
Project/Area Number |
17K12758
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
中村 友昭 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 助教 (50723623)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 概念形成 / 教師なし学習 / 隠れセミマルコフモデル |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は,ロボットが取得可能な時系列センサ情報から概念を形成する手法を提案した.提案手法は階層的なモデルとなっており,ロボットが取得したマルチモーダルな情報をクラスタリングすることで,物体カテゴリや動作プリミティブといった下位の概念を教師無しで形成し,さらにそれら下位概念の関係性を表現する上位概念を形成する.しかし,ロボットのセンサから得られる情報は時系列情報であるため,関連する下位概念であったとしても,それらは同時には観測されず,非同期に観測される.すなわち,どこかからどこまでを関連付けて一つの上位概念で表現すべきかを推定する分節化が必要である.そこで,上位概念を隠れセミマルコフモデルで表現し,時系列データの分節・分類することで概念を形成する.隠れセミマルコフモデルの学習では,分節の候補が無数に存在するため,単純にはそのパラメータを推定することはできない.そのため,動的計画法を用いたFoward filtering-Backward samplingアルゴリズムにより,全ての候補から効率的に分節を推定する.実験では,ロボットが物体を操作することで得られる物体画像と関節角から,物体概念と動作プリミティブを下位概念として学習し,さらにそれらを分節することで物体概念と動作との関連性を表現可能な上位概念を学習できることを示した.これにより,ロボットは物体に対して実行可能な動作を学習することが可能となった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り,平成29年はマルチモーダル情報を分節・分類し概念を形成する手法に関する研究を進めた.問題の定式化,モデルの構築,パラメータ推定手法の開発を行った.さらに,ロボットが取得した実際のマルチモーダル情報を用いて,そのモデルの有効性を検証する実験を行った.これらの内容は情報処理学会で発表し,さらに発展した内容を人工知能学会で発表する予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度開発したモデルは,下位の概念モデルと,上位の概念モデルが独立したモデルとなっていた.すなわち,下位概念と上位概念が相互に影響するようなモデルとなっていなかった.そこで,次年度はモデルを拡張し,それらが相互に影響しながら,モデル全体の尤度を最大化することが可能な手法を開発する.これにより,一部の情報が曖昧であったとしても,上位概念を通して様々なモダリティが相補的に影響しあいながら概念の学習が可能となる. さらに,本年度は画像と関節角のみを用いた実験を行ったが,次年度はより多くの情報を用いた規模の大きい実験により,提案手法の有効性を検証する.
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