2021 Fiscal Year Research-status Report
SS超音波を用いた人・ロボットの屋内位置情報計測・蓄積システム
Project/Area Number |
17K12760
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Research Institution | Iwate Prefectural University |
Principal Investigator |
鈴木 彰真 岩手県立大学, ソフトウェア情報学部, 准教授 (10609423)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 屋内測位 / 測位精度 / ドローン |
Outline of Annual Research Achievements |
洗濯、炊事、介護などの人間との共生を目的とした自律移動(自分で考えて行動をする)ロボ ットの研究が注目されている。人とのコミュニケーションを自然かつ円滑に行うためには、それぞれが近すぎることによって生じる圧迫感や、遠すぎることによる疎外感を感じることなく、適切なタイミングで会話に割り込み、人に合わせてロボットの位置や姿勢、ハンドの高さを調整する必要がある. そこで,生活支援を行うためのロボットの行動を知能化するために必要な,精度の高い 3 次元位置情報 計測・蓄積システムを構築し,その有用性を検討する予 定で研究をすすめている.周囲の雑音に対して頑健なスペクトル拡散通信 (SS:Spread Spectrum)方式を超音波に導入し,精度5[cm]以内で 3 次元データを取得し,システムに蓄積することを目指している. SS超音波測位システムを制作し,その評価として,ロボットの中で最も騒音があるドローンについて,測位精度を実験により求めた.その結果,ドローンの風や 音の影響下においても,10cm程度の測位誤差で室内の測位を実現できることが示唆された. また,精度を高めるために,送受信の位置関係による精度変化を検討した. さらに,従来のスペクトル拡散符号であるM系列に対して,より符号分割多重通信能力に優れたゴールド符号による測位を検討した.ドローンによる測位実験をゴールド符号を用いて行ったところ,従来手法に対する精度劣化は確認されなかった.より多くの素子を同時に用いても測位ができることがわかった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コミュニケーションロボットの中でもドローンの位置を推定するために,ドローンの超音波測位を中心に研究をすすめてきた. SS超音波を用いた測位システムの精度にドローンのノイズがどの程度影響を与えるのかが評価された研究はない.そこで,SS超音波を用いたドローンの屋内測位システムを使用した,ドローン飛行時のプロペラ音やダウンウォッシュによる測位精度への影響を無響室と音の反響がある環境下で評価した.M系列を用いたSS信号の送受信基板を開発し,IoTデバイス化した測位システムを構築した.また,IoT化したシステムとして,遠隔から測位結果を把握するためにRaspberry piとMicrosoft Azureのクラウドサービスを用いた. 音のある反響ではドローン飛行時の測距と真値との差は$40mm以内で測位誤差は$150mm以内であった. これらの結果から,SS超音波を用いたドローンの屋内測位はドローンのノイズがある環境でも高精度に取得できており,クラック検出でも使用可能であることがわかった. ドローンの屋内測位について,コミュニケーションにおける位置関係の良し悪しが議論できる測位精度を達成できたことを,論文を通して発表した.また,本論文ではデータを蓄積する手法についても書かれている. また,ゴールド符号による測位も行い,より多くの送信機を用いた高精度な測位についても実現可能であることが示唆された.
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Strategy for Future Research Activity |
実際に複数の人・ロボットのコミュニケーションの位置関係が取得できるかどうか,実験により評価していく.
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Causes of Carryover |
次年度に,コミュニケーション距離を計測する実験,発表を行う予定があり,その費用を次年度に使用する
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Research Products
(3 results)