2017 Fiscal Year Research-status Report
スパース近似モデルを用いたマルチモーダルセンサ情報に基づく実時間環境認識法の開発
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17K12762
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Research Institution | Niihama National College of Technology |
Principal Investigator |
田中 大介 新居浜工業高等専門学校, 電子制御工学科, 助教 (70782613)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 知能ロボティクス / 機械学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、視覚・触覚・聴覚など様々なセンサが実用化され、これらのセンサを組み合わせた『マルチモーダルセンサ』がロボットに搭載され始めている。視覚情報は環境光の条件、聴覚情報は周辺の雑音、触覚情報は物体の大きさや状態に影響を受けるが、これら全てのセンサ情報を同時かつ相補的に用いることができれば、多様な状況でも頑健かつ高精度な環境認識が期待できる。しかし、マルチモーダルセンサ情報から得られる情報が膨大であるため、従来のアプローチでは、センサ情報をそれぞれのモダリティ別に処理し利用している。 そこで本研究では、マルチモーダルセンサが搭載されたロボットにとって有効な環境認識法を実現するために、スパース近似モデリング法を用いた効率的な環境の観測モデル構築手法を提案する。提案法は従来相補的に利用できていなかった膨大なセンサ情報を実用的な時間で処理し実時間での認識を可能とし、人との共存環境下で実運用可能な環境認識技術の確立に貢献できる。今年度はこれを実現するために、スパース近似モデルを用いたモデル構築法の検討・開発、また効果的なセンサ情報の前処理法の検討を行った。 今年度の研究実績として、マルチモーダルセンサ情報の取り扱い方法の検討を行い、画像等の高次元データに対して、観測モデルのモデリングしやすさを考慮する非線形次元削減法を検討し、実用的な時間での情報処理が可能な観測モデルの構築に対する基礎検討を終えることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までのところ、実用的な時間でのセンサデータ処理を行うための、センサデータの前処理法を検討し、計算時間が削減可能であることが検証できた。また実データを用いた検討も行っている。(i) 実用的な時間での情報処理が可能な観測モデルの構築に対する目処がついた点、(ii) 実センサから得られるデータによる検証も行えている点、などから研究は「おおむね順調に進展している。」と判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までにセンサデータの前処理法を確立したことから、次年度は実環境での有効性を確認する。そのために、シミュレータを用いた実験と実機ロボットを用いた実験を行う。 まずシミュレータによる実験を通して、手法の長所と短所を明確にし、必要があれば手法のさらなる改良を行う。次に実機ロボットを用いた実験により、ユニモーダルセンサ情報を用いた場合との比較を行うことで、マルチモーダルセンサ情報を用いることにより効率的に認識が達成できることを確認する。
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Causes of Carryover |
アルゴリズム検討を重点的に行なったため、情報収集・成果報告を一部次年度に持ち越した。そのため、次年度に旅費として執行する予定である。
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Research Products
(3 results)