2018 Fiscal Year Research-status Report
人の学習能力を利用したイン・ハンド・マニピュレーションのためのモデルレス操り戦略
Project/Area Number |
17K12765
|
Research Institution | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群) |
Principal Investigator |
山脇 輔 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), システム工学群, 講師 (20546171)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | マニピュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は1.筋電信号に基づく指先剛性の推定,2.ロボットハンドへの教示軌道の生成法について検討した.
検討項目1:本研究では,イン・ハンド・マニピュレーションを直接教示により実現することを最終目的とし,その教示データのひとつである人の指先剛性を計測することを検討した.指先剛性は拮抗する筋の緊張度によって決まり,拮抗する筋は指先の操作により異なる.そこで,本研究では,指先剛性と筋電位の測定を同時に行い,指先剛性と筋電位との相関を求めることにより,指先剛性に影響を与える筋を明らかにする.それにより,イン・ハンド・マニピュレーションの直接教示に有用な筋を推定することを考えた.片腕8か所に表面電極を貼付けた被験者に教示姿勢をとってもらいロボットハンドからのインパルス状の運動ノイズに対する被験者の指先力を計測した.計測した指先力と運動変位から指先剛性を求め,それと相関のある筋電位を発生させる筋を推定した.その結果,3つの筋が有意な相関を示し,他の5つの筋には有意な相関は見られなかった.
検討項目2:ロボットハンドにおける教示軌道ではロボットハンドの角度や速度軌道に加え,指先力も教示する必要がある.一般的に指先力の教示はノイズの影響を受けやすく,1回の教示動作ではノイズにロバストな教示軌道を生成することができない.そこで複数回の教示軌道の平均軌道を求めることを考える.教示者の軌道には時間方向のゆらぎがあるため,そのまま平均化することは適切ではない.本研究では動的時間伸縮法を用いて複数の教示軌道を時間的非線形圧縮距離が最小となるように時間方向へ伸縮させ、時間方向のばらつきを小さくする手法を採用した.得られた教示軌道をロボットハンドで再生したところ,10回の試行において10回連続して操りに成功した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
教示軌道がノイズに対して脆弱であることが実験的に判明した.これは研究計画には含まれない新たな問題点であった.そのため,ロバストな教示軌道の生成法について検討を行う必要があり,研究計画からやや遅れている.
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度の2つの検討項目に基づき,指先剛性を考慮した教示アルゴリズムを構築とその有効性について実験的に検討する.
|
Causes of Carryover |
本年度は既存の器材を用いて実験を行っており新たな器材を購入する必要がなかった.一方,次年度では駆動トルクを計測できるようにロボットハンドの改良を実施する予定である.
|