2017 Fiscal Year Research-status Report
VR酔い防止と操作性向上を両立する3DCGゲームのカメラワーク制御条件の解明
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17K12769
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
井ノ上 寛人 東京電機大学, 未来科学部, 助教 (40724604)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | CG / コンピュータグラフィックス / VR / バーチャルリアリティ / カメラワーク / 感性 / 心拍 / 視線 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,VR酔いの防止と操作性の維持/維持向上を両立できるCGカメラワークの制御条件を,実験に基づいて定量的に解明することを目的とし,初年度はゲームコンテンツの準備と印象評価実験を行った。 【研究成果1】印象評価実験の結果から,3DCGのキャラクタ(アバタ)を追従する三人称視点カメラワークを制御する上で,アバタがほかのCGオブジェクト(敵キャラクタなど)と衝突した際にカメラを旋回させると,迫力感やスピード感といった感性的な印象を有意に高めることが可能で,総合的によいカメラワークと評価されることが明らかとなった。映像酔いに関しては,カメラワークのほか,背景などのほかの要素も影響する結果が示されたため,CGカメラを旋回させる際には背後にあるほかのオブジェクトとの相互作用について考慮する必要があると考えらえた。 【研究成果2】ゲームの難易度に応じて心臓の拍動間隔(RRI)が有意に変化することが明らかとなった。具体的には,2DCGの場合,全体的な傾向として,プレイ前の休憩中(安静閉眼座位時)に比べて,プレイ中のRRI が下降する,すなわち,心拍数が上昇することが明らかとなり,その変動パタンからプレイ後の疲労感などを予測できる可能性が示唆された。VRの場合でも同様な実験を行っているが,結果については現在分析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
敵キャラクタとの衝突といった接触判定時にカメラを自動旋回させるシステムについては試作できたが,背景オブジェクトとの接触判定時に動作させるシステムについては初年度のうちに開発が間に合わず,評価実験を行うことができなかった。これは計算機が排熱によって処理落ちしてしまうことなどが原因となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
試作が間に合わなかった分については今後も開発を進めるが,計画全体の変更は必要ないと考える。現状では,計算機が排熱によって処理落ちしてしまうことが問題で急遽空冷を強化して対応しているが,今後はソースコードの見直しのほか,新しい計算機の購入を検討する。
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Causes of Carryover |
各費目とも、支出金額を少しずつ抑えることができたため、次年度使用額がやや生じた。研究の遂行上、計算機の新たな購入が必要となったため、次年度はその分に使用することを計画している。
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Research Products
(3 results)