2017 Fiscal Year Research-status Report
画像の解像度変換により生じる違和感の視線計測による要因解明と評価システムの開発
Project/Area Number |
17K12770
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Research Institution | Ishikawa National College of Technology |
Principal Investigator |
川除 佳和 石川工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (90552547)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 違和感評価 / 客観評価システム / 視線計測 / 解像度変換 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年.ディスプレイの解像度が多様化し,1枚の画像を異なる解像度・アスペクト比に縮小変換して全画面表示する必要性が高まっている.イメージリターゲティング(以下,IR)は,違和感の発生を抑えた解像度・アスペクト比の変換技術として注目されているが,絵柄によっては多大な違和感を生じさせる致命的な欠点がある.本研究では,IRによる画像の解像度変換により生じる違和感の要因を視線計測装置を用いた主観評価実験により明らかにするとともに,違和感の客観的評価システムを開発し,既存のIR手法の改良や新規手法の開発への応用を目指す. 本年度は,まず既存のIRアルゴリズムの調査と実装を行い,実験画像データベースを構築した.さらに,視線計測装置により違和感評価に関する主観評価実験を行い,得られた結果を用いて違和感と画像特徴量との関連性を調査した.その結果,主観的な違和感が大きい画像ほど評価中の視線運動が活発になる傾向があった.また,違和感評価の順位結果と評価に要した時間には相関関係(スピアマンの順位相関係数=0.64)がみられた.以上より,違和感評価に要する時間と注視点の分布に関係性があること明らかとなった.また,画像の物理量から注視時間を推定することは困難だが,画像の物理量から推定できるエントロピーを用いることで注視時間を推定できる可能性が示された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験画像データベースの構築,および,視線計測装置を用いた違和感の主観評価実験と解析を予定通りに終えており,研究は順調に進展している.なお,これらの成果は4件の口頭発表を行っている.
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Strategy for Future Research Activity |
H29年度中に得られた知見に基づき,変換対象となる入力画像とそれを変換した画像の2枚を入力すると,違和感が発生するか否かを評価する「違和感評価システム」を開発する.ここで,違和感評価システムの出力は「違和感がある」もしくは「違和感がない」の2値とする.また,開発したシステムの性能検証を行うとともに,IRの変換が失敗する主な原因である「視覚的重要度マップの自動生成」に,開発した違和感評価システムを応用する.具体的には,変換後の画像を評価システムに入力して違和感の有無を評価し,その結果を自動生成の手順にフィードバックする.さらに,IRの研究開発に迅速にフィードバックできるように,スタンドアロンでも動作可能なソフトウェアを実装するとともに,GPGPUによる高速演算が可能な計算機を用いた高速化実装も検討する予定である.
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Causes of Carryover |
平成29年度は,現有のディスプレイ(モニター)を用いて主観評価実験を行ったため,評価実験のマスターモニターとして計上していた経費分が平成30年度に繰り越される形となる.
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Research Products
(4 results)