2018 Fiscal Year Research-status Report
フローサイトメトリーデータの測定条件に対して頑健な計算論的分析法の開発
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17K12779
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
大佐賀 智 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 助教 (60790772)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | サイトメトリー / 機械学習 / クラスタリング |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はサイトメトリーデータの測定条件に対して頑健な計算論的分析法の開発のため、次の課題に取り組んだ. ・効率的なパラメータ推定アルゴリズムの構築 昨年度は検体ごとの測定条件の相違に対して頑健な推定手法の構築に取り組んだものの,その計算量は当初の想定を超えるものであったため,推定手法の効率化が主な課題となった.まずはじめに,計算量を削減するための最も単純なアプローチとして,サイトメトリーデータセットに含まれるすべての細胞のデータのうちごく一部をランダムに取り出すことで分析に用いるデータセットのサイズを削減するダウンサンプリングを試みた.しかしながら,市販のデスクトップPCで現実的な計算時間で分析可能なほどダウンサンプリングすると,末梢血検体中の全細胞の数%以上を占める細胞集団は同定できるものの,1%未満の比較的小規模な細胞集団ではデータセット中の細胞数が少なくなるため,その同定が困難になるという新たな問題が生じた.そこで,ダウンサンプリングによる計算量削減以外のアプローチとして,GPUによる並列計算やクラウドコンピューティングサービスの利用も検討しているが,アルゴリズムの並列化の実装に手間取っており,本年度終了時点では実施できていない. なお,本年度に予定していた「提案手法の分析結果に基づく外部変数の予測」および「英語論文の作成」の両課題については,上記課題の進捗が遅れているため未着手である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究代表者は名古屋市立大学病院にて生物統計担当者として医師主導臨床研究のデータ解析にも従事しているが,本年度より施行された臨床研究法に係る院内規程の整備や,既存研究の臨床研究法への乗せ換え対応にともなう統計解析関連の書類作成業務にて多忙であり,自身の研究のための時間を十分に確保できなかった.ただし,上記の業務は本年度で概ね完了したため,来年度は自身の研究に注力できる見込みである.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は大規模なデータセットへの提案手法の適用に向け,GPUによる並列計算の実装を行う.また,当初は市販レベルの計算機で実時間の処理が可能なアルゴリズムを目標としていたが,大規模データセットでの分析が行えないことには分析結果の妥当性の評価が困難なため,アルゴリズムの効率化と並行して,クラウドコンピューティングサービスを利用した実装も検討したい.
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Causes of Carryover |
本年度は,旅費、書籍代等の物品費、論文投稿費を予算として計上していたが,論文投稿が延期になったこと,また次年度への延長を考慮して物品費には別の研究費を用いたため,次年度への繰り越しが発生した.次年度は,論文投稿を行うとともに,クラウドコンピューティングサービスの利用などにも助成金を使用する予定である.
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Research Products
(1 results)