2017 Fiscal Year Research-status Report
A new scoring function for protein structure assment based on the hydration structure information.
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17K12780
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
清田 泰臣 北里大学, 薬学部, 助教 (50631644)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | バイオインフォマティクス / タンパク質構造評価スコア / 3D-RISM理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、目的としたデータベースの構築し、構造評価スコアの開発に成功した。まず、様々なフォールドのタンパク質立体構造群(SCOP2データベース、タンパク質をフォールドレベルで管理したデータベース)に対し、網羅的に3D-RISM理論を適応し、水和エネルギーを得た。次にこれらの水和エネルギーをアミノ酸残基単位に分割し、周辺残基、二次構造情報等のデータを加えることで、水和エネルギー等をアミノ酸残基ごとに参照することのできるデータベースを構築した。構築したデータベースを基に、アミノ酸残基毎に水和エネルギーと残基表面積の相関関係を二乗誤差刈り込み平均最小化による回帰分析を用いて求め、新たな溶媒和スコアを開発した。当初の計画では、この溶媒和スコアを機械学習によりさらに精密化する予定であったが、先に現状での構造評価スコアとしての精度評価を行った。構築することのできた溶媒和スコアが、タンパク質構造評価スコアとしてどの程度の精度を持つか調査するために、2016年に開催された立体構造予測の国際コンテストであるCASP12の予測構造群を用いて、構造評価を行った。調査の結果、開発した溶媒和スコアを単体で運用するのではなく、既存のタンパク質構造評価スコアProQ3と併用することで、精度が向上することが示唆された。 今後の研究で必要となる精度評価のためのシステムを先に開発したため、当初の計画とは前後するが、研究全体の進度は順調であるといえる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
溶媒和スコアとデータベースの構築については当初の計画通り、今年度中に結果が出た。開発された溶媒和スコアのタンパク質構造評価スコアとしての精度を向上させることを目的として、ProQ3の導入および応用に成功した。所属研究機関における設備移設に伴い、一時的に研究を遂行できない期間が存在したが、研究は概ね順調に進展した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、より精度の高いタンパク質構造評スコアを目指して、構築したデータベースの機械学習による溶媒和スコアの精密化を試みる予定である。また、当初の計画通り立体構造予測コンテストCASPの予測構造に対する構造評価を行い、構築した構造スコアの精度向上を行う予定である。特に平成30年度に開催されるCASP13においては、完全なブラインドテストを行うことができる。十分な精度検証の後、成果を論文として発表する。
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Causes of Carryover |
当初購入予定であったワークステーションが、ほぼ同一スペックでより安価に購入できたため、研究に使用する物品(外付けHDD他)や、より有用な使用法を考慮するために次年度へと繰り越した。
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