2017 Fiscal Year Research-status Report
スパース最適化に基づく時系列ネットワークからの研究トレンドマッピング
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17K12794
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
桂井 麻里衣 同志社大学, 理工学部, 助教 (70744952)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 研究トレンドマッピング / 研究トレンド / バースト検出 / サイエンスマッピング / 学術情報 / データマイニング / 時系列ネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
国際会議・論文誌の継続的増加やプレプリントサーバの普及,研究成果のオープン化に伴い,膨大な量の学術情報が日々蓄積されている.本研究課題の目的は,学術ビッグデータからの最新トピック発掘とその変遷の可視化を同時実現する研究トレンドマッピング技術の確立である.そのために,時系列ネットワークにおいて急激に時間変化した部分(バースト)のみを残すスパース最適化手法を提案する.平成29年度はネットワークの隣接行列を二つの行列に分解するための目的関数とその最適化手法を構築した.既知の確率分布に基づく人工データを用いた性能評価実験では,従来のサイエンスマッピングツールで用いられている手法に比べて高速かつ高精度にバーストを検出できることを示した.特に,単一パラメータのみでバースト検出数を操作できる点は従来手法にはない利点といえる.さらに,提案手法の実データへの応用として,学術論文タイトル集合の単語共起行列を入力すると研究トレンドを表すネットワークを描画するプログラムを構築した.得られる共起語ネットワークは,二語以上からなる技術名や技術間の関連性を概念空間で直接表現できるという利点をもつ.また,知識のネットワーク表現は知識構造の直感的な理解を促進するといわれており,特定分野の動向を把握したいと考えている研究者やリサーチ・アドミニストレータ,政策立案者らへの支援に貢献すると考えられる.本成果は平成30年度以降に国際会議または学術論文誌へ投稿予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り,手法の提案と定量評価が行えている.
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Strategy for Future Research Activity |
提案手法による研究トレンドマッピングの定性評価と,共起語以外のネットワークへの適用を検討する.
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Causes of Carryover |
研究計画を一部入れ替え,本年度に予定していた成果発表と謝礼支出を翌年度以降に延期した.
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