2018 Fiscal Year Research-status Report
文章の数量分析に基づく西鶴質疑本の著者及び成立年に関する総合的研究
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17K12799
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
上阪 彩香 大阪大学, データビリティフロンティア機構, 特任助教(常勤) (60780252)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 井原西鶴 / 統計科学 / 多変量解析 / 近世文学作品 |
Outline of Annual Research Achievements |
30年度は、①バギング法、ランダムフォレスト法、アダブースト法により西鶴、団水の文章の間に差異がみられた分析項目を用い、章単位での西鶴遺稿集『西鶴置土産』、『西鶴織留』、『西鶴俗つれづれ』、『西鶴名残の友』のそれぞれの文章が、西鶴と団水のどちらの文章と類似しているのかを検討した結果の成果を公表した(行動計量学第45巻第2号 題目:「アンサンブル学習モデルを用いた西鶴遺稿集の著者に関する検討」)。②近世文学研究者の協力を得て作成された形態素解析済みデータ、mecab of 0.996を使用しIPA辞書を用いた形態素解析の結果、近世口語(洒落本)UniDicを用いた形態素解析の結果をもとに、著者判別という側面から検討を行った。③西鶴によって1682~1686年に出版された『好色一代男』、『諸艶大鑑』、『西鶴諸国はなし』、『椀久一世の物語』、『好色五人女』、『好色一代女』の6作品と、神保(1990)が代作者・助作者の作品が混入されている可能性を誰しもが持つ作品として挙げた1686~1688年に出版された『本朝二十不孝』、『男色大鑑』、『懐硯』、『武道伝来記』、『日本永代蔵』、『武家義理物語』、『嵐は無常物語』、『色里三所世帯』、『好色盛衰記』、『新可笑記』の10作品とを主成分分析を用い、比較検討し、1682~1686 年に出版された6作品と1686~1688年に出版された10作品には、異なった文章の特徴があることを示した。④西鶴、団水、および同時代に活躍した浮世草子作家の文章の特徴を比較検討し、作家ごとに文章の特徴が異なることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定の工程をほぼ完了しており、その成果を、論文誌、国際学会等において公表・発表している。30年度は、研究成果の一部を行動計量学第45巻第2号(題目:「アンサンブル学習モデルを用いた西鶴遺稿集の著者に関する検討」)、統計数理研究所共同研究リポート424(題目:「西鶴浮世草子の文章の特徴と出版時期」)などで公表した。
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Strategy for Future Research Activity |
30年度の研究成果を踏まえ、①引き続き、西鶴、団水、および同時代に活躍した浮世草子作家の文章の特徴把握を模索し、その成果を用いて、西鶴質疑本への疑問を数量的な観点から検討する。②経年変化、及び①での検討内容より、西鶴工房説の検討を試みる。③本研究期間の成果を「Digital Humanities conference 2019」Utrecht(the Netherlands)をはじめとした国内・国外学会にて積極的に研究成果発表を行うとともに、研究終了時には、研究成果をまとめ、論文および書籍として発表する。
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Causes of Carryover |
29年度の繰り越しのため、当初予定した使用計画より少ない額の執行となった。次年度に開催される「Digital Humanities conference 2019」Utrecht(the Netherlands)への発表、参加費に充当する。
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Remarks |
上阪彩香、「日本行動計量学会」、よろん、日本世論調査協会報、第122号、pp.15~16、ISSN 2189-4531、2018
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Research Products
(6 results)