2019 Fiscal Year Research-status Report
Learning support for overcoming difficulties in Understanding Nested Loops of programming incorporating cognitive science
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17K12802
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
藤川 真美乃 (時田真美乃) 信州大学, 学術研究院総合人間科学系, 助教 (70647106)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | プログラミング教育 / 初年次教育 / 教育工学 / 多重ループ / チャンク / リハーサル / 情報基礎 / 認知科学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究計画は、プログラミング学習時における最も基本的な制御構造のif文・for文の多重ループ学習で、「入れ子構造」の学習が困難となることに、人の認識の限界が関係することを取り入れ、教育における工夫の効果を検証するものである。29年度には、学習教材としてシングルボードコンピュータであるIchigoJamを使用し、制御構造の動作やタイミングの理解について音を利用する教材を開発するための予備実験を行った。またその結果について学会での発表を2回実施した。その上で、この教材の学習後に、理解が促進されたかについて調査を継続した。30年度については、29年度に調査した結果に加え、リハーサルの回数についても調査し、その研究成果を、9月7日に学会で発表した。その後、プログラミングを学習する初年次の情報教育の授業においての学習教材の開発にあたり、聴覚を使用したチャンキングの効果の検証を継続した。 令和元年度については、聴覚を使用したチャンキングの検証の結果を、7月19日に学会で発表した。また、その後分析調査をした結果を投稿論文にまとめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の実施状況については、プログラミング制御構造におけるif文for文多重ループの効果的なチャンクの活用の検証について、具体的な計画のもとで順調に進行している。30年度において、29年度の研究を継続し、音による構造の理解について、事前の予測を実施した上で、プログラムの処理の流れを聴覚で体験することによる理解度の違いについても検証した。そのことでリハーサルの回数との関係を測った。If文for文を使用した教材については、本結果も踏まえて開発した内容を改善し、令和元年に調査した。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度には、if文for文の学習において、聴覚を使用したチャンキングの学習をいつ使用するのが最も効果的かについての検証も合わせて実施した。プログラミングは視覚で表示されるため、従来の複雑な入れ子構造の理解には、特に視覚における記憶の負荷が関係すると仮説を立てている。初めてプログラミングの入れ子構造を学習するときは、チャンクがうまく獲得されておらず、視覚の記憶の負荷が高いことが予測されるので、初回の学習時に聴覚も使用するのが特に効果的であると、予測を整理した上で、調査をした。最終年度では、同じ課題でも学習前後で反応に差があるかについての続きの分析を、可能であれば認知負荷の軽減の測定した上で行うする。その結果を受けて、初年次情報教育のカリキュラムへの取り込みの内容を決定する。
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Causes of Carryover |
聴覚を使用したカリキュラムの決定に向け、研究分析の継続が必要になったためで、最終年度である令和2年度に、分析の継続と学会発表および投稿論文の準備において使用額を使用する計画となる。
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