2017 Fiscal Year Research-status Report
Development of an Adaptive Learning Support System based on Model-Based Development (MBD) Approach
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17K12803
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
脇谷 伸 広島大学, 工学研究科, 寄附講座講師 (00728818)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 制御工学 / 学習者モデル / モデルベース開発 / データベース |
Outline of Annual Research Achievements |
本年の目標である,学習者の特徴をデータベースによってモデル化する「データ駆動型学習者モデル」のアプローチについて調査・研究を進めた。平成29年度の実績は主に以下の点である。 I. 学習者モデル生成のためのデータ収集と整理:申請者の所属講座で実施する,モデルベース開発基礎研修において,参加者より承諾を得たうえで講義毎にアンケート調査を行い,これらのデータを集計した。また,講義終了時には,小テストを実施した。これらの集計結果と小テストの結果に対してニューラルネットワークを適用し,学習者の特徴を分類したところ,データから学習者の特徴量が抽出でき,初期のアンケート結果を用いるだけで学習者が最終的に小テストでどのような点を取得するかが大まかに予測できるようになった。これは,データから学習者モデルを設計可能であることを示唆しており,本成果に基づいて引き続き平成30年度に学習者モデルの設計を行う。 II. データベース駆動型状態空間制御系設計手法の提案:状態空間表現とデータベース駆動型制御系設計手法を融合した新しい「データベース駆動型状態フィードバック制御系」を提案した。提案手法では,制御対象が局所的には線形な状態空間表現可能であることを仮定することで,制御対象から状態ベクトルを取得可能であれば,制御対象が非線形性を有していたとしても,その学習機能によって所望の制御性能を達成することが示された。本研究成果は,国内学会(自動制御連合講演会,東京,2017年11月)にて発表を行った。本手法は,平成30年度以降の計画である適応学習支援システムのコア技術となる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定では,データベースに基づく学習者モデルの完成を目標としていたが,若干進行が遅れており,完成までには至っていない。しかし,研究実績の概要にもあるように,学習支援システムのコア技術となる,データベース駆動型状態フィードバック制御系に関する理論構築が予定よりも早く完成している。以上の理由から,本研究はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
以下の方策に基づき,研究を着実に進展させる。 I.平成29年度に取得された研修受講者のアンケートデータに基づき,データ駆動型学習者モデルの設計を行う。また,ウェアラブルデバイスによるデータ収集も開始し,これらのデータを融合することでさらにモデルの精度向上を目指す。 II.Iで完成したデータ駆動型学習者モデルと,すでに提案しているデータベース駆動型状態フィードバック制御系を組み合わせ,適応学習支援システムを構築し,その問題点等を明らかにする。 III.学会発表および論文執筆:これまでの成果について,国内外にて学会発表を行うとともに,学会にて得られた意見などを踏まえて論文を執筆し学会誌への投稿を行う。
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Research Products
(2 results)