2021 Fiscal Year Research-status Report
微細藻類を用いた廃糖蜜蒸留廃水中の天然色素処理機構の解明
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17K12832
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
野口 愛 茨城大学, 農学部, 研究員 (30724207)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 好酸性微細藻類 / 模擬廃糖蜜蒸留廃液 / 微細藻類バイオマス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、廃糖蜜蒸留廃水中に含まれる高い有機分、無機塩、天然色素の処理方法として微細藻類を用いることを目標とし、これらの水質に耐性を持つ微細藻類の獲得と、廃糖蜜の蒸留廃液中で微細藻類が耐性を示す機構の解明を目的とする。これまでに環境中から獲得した136株の微細藻類を継代培養により保存し、集積培養を行った。しかし、M-Allen培地 (pH 2.5)では分離した微細藻類株の評価を行えるほどのバイオマス量を獲得することが困難であった。有機物を添加した培地の選別も行ったが、純粋培養を維持しながら十分なバイオマス量を獲得することができなかった。酸性培地ではバイオマス量が十分に確保できなかったため、廃糖蜜蒸留廃水のもう一つの特徴である有機物負荷の高い条件において集積培養をした微細藻類株を譲受する準備を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
昨年度までと同様にCOVID-19の影響により研究活動が制限されており進捗が滞っている。環境中から獲得した微細藻類株の確立方法を中心的に検討したが、後に想定される試験に用いることのできるバイオマス量を獲得できる培地の選別が困難であった。また、産前・産後休暇の取得のため研究中断の期間があった。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの酸性培地ではバイオマス量が十分に確保できなかったため、廃糖蜜蒸留廃水のもう一つの特徴である有機物負荷の高い条件において集積培養をした微細藻類株を、研究協力者から譲受しバイオマス量の確保を試みる。十分なバイオマス量を確保した後に有機物耐性、アンモニア耐性、メラノイジン耐性、酸耐性等の特性によりスクリーニングを行う。その際に有機物、アンモニア、メラノイジンの除去率も評価する。継代により維持している耐酸性株は冷凍保存している試料からの再確立を行う。 また、これまでの成果を国際学会にて発表予定である。
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Causes of Carryover |
微細藻類株のバイオマス量の確保が第一課題となったため、株の維持培養と培地の検討に時間を割いた。その結果、当初予定していた分離株の有機物耐性、アンモニア耐性、メラノイジン耐性試験を進めることができず物品や試薬の購入が少額となった。 本年度行うことのできなかった試験を最終年度に行い、未使用額は培養装置の作成や遺伝子解析費用に支出する予定である。
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