2019 Fiscal Year Research-status Report
世界遺産・知床のダムが餌資源供給の季節性の変化を介して淡水魚の生活史に及ぼす影響
Project/Area Number |
17K12839
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Research Institution | Fisheries Research and Education Agency |
Principal Investigator |
佐橋 玄記 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 北海道区水産研究所, 任期付研究員 (90791799)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | サケ科魚類 / 世界遺産 / 知床 / ダム |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度、各河川に水温を記録するために設置したデータロガーを2019年6月に回収した。ただし、一部の河川では、データロガーが流出していたため、再びデータロガーの設置をおこなった。この新たに設置したデータロガーは、翌年度回収する予定である。また、潜水目視調査により、研究対象種となる淡水魚のオショロコマの生息状況を再確認した。オショロコマは、昨年度同様、潜水目視調査を行ったほぼ全ての河川で砂防ダムの上流・下流を問わず、生息を確認することができた。また、砂防ダムの状況などに変化がないか、併せて確認した。 調査河川におけるオショロコマの繁殖時期である10月下旬に、砂防ダムが遡河性サケ科魚類の遡上を妨げている河川と妨げていない河川で、電撃捕魚機を用いてオショロコマのサンプリングを行った。サンプリングは各河川に設定した調査区内で行った。肥満度と成熟サイズを求めるために、採捕された個体毎に体長と体重の計測、雌雄判別と成熟の有無の確認を行った。卵サイズを計測するために、成熟メス1個体あたり卵を約10粒採集し、5%ホルマリン液に保存した。また、成熟メスの一部の個体を対象に、卵数を計数した。 上記サンプリングで得られたデータから肥満度と成熟サイズ、卵サイズを求め、砂防ダムが遡河性サケ科魚類の遡上を妨げている河川と妨げていない河川の間で比較を行った。また、これまでに本研究テーマに関連して得られた成果を取りまとめ、国際学会および国内学会で発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
河川調査とデータ解析、成果の公表がおおむね予定通り完了しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度についても、当初の予定通り、野外調査と成果の公表を進める予定である。
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Causes of Carryover |
新たに購入する必要のある物品が減少したため。一方で、今後、旅費等の支出増加が見込まれるため、翌年度以降で適切に使用していく予定である。
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[Presentation] 市民参加型調査で集めた位置情報付き生物写真にデータバイアスは存在するか?2020
Author(s)
佐橋玄記, 丸山緑, 有賀望, 森田健太郎, 岡本康寿, 向井徹, 水本寛基, 植田和俊, 藤井和也, 渡辺恵三, 大熊一正, 荒木仁志
Organizer
日本生態学会第67回全国大会
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