2018 Fiscal Year Research-status Report
高度に都市化した景観における中型食肉目の生息地ネットワーク構造
Project/Area Number |
17K12840
|
Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
斎藤 昌幸 山形大学, 農学部, 助教 (90466003)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | タヌキ / 都市 / 遺伝的交流 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ハビタットが著しく分断されている都市景観に生息する中型食肉目が、どのような生息地ネットワークを形成しているのか明らかにすることを目的としている。とくに東京に生息するタヌキを対象として、生息地(緑地)間の個体の交流について調べることで、生息地ネットワーク構造を明らかにする。 平成30年度は、平成29年度に共同研究機関に送付したタヌキの糞DNAサンプルの遺伝子分析に着手した。年度終了時点で、調査で得られた全161個の糞DNAサンプル中、71サンプルでDNA抽出が済んでおり、うち5サンプルを使用して種特異的PCRを行い、DNAの状態を確認した。その結果、それら5サンプル全てでタヌキのDNAが問題なく増幅され、DNAの状態として良好であることが確認された。これらのことから、161サンプルの中の多くのサンプルが遺伝子分析に使用できることが期待される。今後、残りのDNA抽出とマイクロサテライト解析を行うことで、遺伝的交流を評価するためのデータを用意していく予定である。 また、平成30年度は、東京都23区の緑地と東京郊外の緑地で、糞DNAの追加サンプルの収集もおこなった。タヌキのタメフンに定期的に訪問し、可能な限り新鮮な糞を採取した。採取した糞は、エタノールに浸し、-20℃で保存した。これらの調査で得られた追加の糞DNAサンプルも共同研究機関に送付し、今後の遺伝子分析に利用する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究開始時に研究代表者の異動があっため、研究の着手に遅れが生じ、サンプル収集や分析にも遅れが生じた。このことから、研究の進捗がやや遅れていると判断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
糞サンプルの遺伝子分析をおこない、個体の移動しやすさを定量化するための分析をおこなう。
|
Causes of Carryover |
研究の遅れにより使用する物品等に変更が生じた。翌年度は、使用予定だった物品等へ助成金を使用すると同時に、論文や学会発表等の成果公表に助成金を使用する予定である。
|