2018 Fiscal Year Research-status Report
Sustainability assessment of irrigated and rainfed agricultural land in the Brazilian Amazon
Project/Area Number |
17K12847
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
吉川 沙耶花 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 研究員 (60785492)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 農地拡大 / リモートセンシング / 土地利用分類 |
Outline of Annual Research Achievements |
地球の気候や水資源への影響が大きいアマゾンの熱帯林伐採は、少しずつ緩やかになってきているが、未だ留まるには至っていない。近年、森林伐採跡地での大規模及び小規模の両農地にて灌漑が少しずつ増えている。しかし、これらは地下水を多く使用したものであり且つ統計上では全く報告されていないため実態が不明瞭である。そこで本研究では、以下の二項目を目的とする。 1)天水/灌漑農地データベースを構築し、その立地・拡大条件を明らかにする。 2)得られた農地データから天水/灌漑農地拡大シナリオを作成し、最新の水資源モデルを用いて水需給シミュレーションを行い、水ストレスが増大する地域などの水文環境影響評価からその持続可能性について明らかにする。
本年度は、小規模農地の中でも土地なし農民占有地域での天水/灌漑農地データベースを作成するための解析を主に行った。最新の高解像度衛星データを用いて分光反射特性のみならずクナリティ指標などの分布構造特性から土地利用分類を行った。さらに分布構造特性を用いた分類の際、ボックスカウンティング法を採用し、複数パターンでの計算を行った。また、現地の土地なし農民占有地域にて聞き取り調査を行った結果を用いて、本分類の精度評価を行った。結果として、従来の分光反射特性のみを用いた分類よりも分光反射特性と分布構造特性を組み合わせて行った分類の方が精度よく土地利用分類することができることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
広大な法定アマゾンを一斉に解析する前に、代表者が今まで着手してきたマットグロッソ州とパラ州の農地拡大状況の把握を行った。そこで、2005年頃まで法定アマゾン内の最大森林伐採量があったマットグロッソ州の大規模農牧地と衛星データを用いて作成した植生変化量との関連性を明らかにした。これについては、論文投稿済みであり査読審査中である。また、2005年以降法定アマゾン内最大の森林伐採量となり、農地の拡大が進むパラ州にて、最新の高解像度衛星データを用いて土地利用分類を行った。現地調査の結果を用いて、各分類手法の精度評価を行った。これらの成果については、次年度以降に論文や学会などで発表していく予定である。パラ州の土地利用分類に時間を要しているが、全体として研究計画はおおむね順調に進んでいると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度問題のあった点に関しては、最新の高解像度衛星データと分光反射特性と分布構造特性を組み合わせた分類手法を提案することで解決の目処がたった。パラ州の土地利用分類に目処がつけば、農地拡大条件のモデル化等に取り組む予定である。
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Causes of Carryover |
査読対応に時間がかかり論文投稿費を使用しなかったことに加えて、予定していた海外出張をしなかったため、次年度使用額が生じた。次年度に論文投稿費・学会発表のための旅費として使用する予定である。
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