2023 Fiscal Year Annual Research Report
Potential of Fishers-led Forest Commons: A Comparative Study on Fishes-Based Forest Planting Initiatives
Project/Area Number |
17K12860
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Research Institution | Fukuoka Women's University |
Principal Investigator |
岩崎 慎平 福岡女子大学, 国際文理学部, 准教授 (20708028)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 漁民の森づくり / 森林コモンズ / 森川海 / レジリエンス / 持続性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、「漁民の森づくり」に着目し、同活動の実態を全国規模で解明するとともに、長期的な視座に立って近世から現代までの同活動の持続性を検討し、漁業者らによる森林コモンズの可能性を探ることを目的とする。本年度は最終年度であり、過年度に実施した研究知見を整理した上で、その成果を国際コモンズ学会の場で発表した。 これまでに、主に以下の3つの活動を行った。すなわち、①近世から現代までの漁民の森づくりの史的変遷を整理するために、文献調査及びヒアリング調査を実施した。その際、漁民の森づくり活動をレジリエンスの視点から検討した。具体的には、レジリエンス研究で使われる適応循環モデルを援用した。さらに、②「海と渚環境美化・油濁対策機構」と連携して、2001年以降における漁民の森づくりの年次活動報告の情報に基づき、日本全国で展開する漁民の森づくりの活動実態の評価を行った。また、③漁民の森づくりの活動継続性を支える要因を明らかにすることを目的に、東日本大震災の影響で2011年度から2018年度までの活動実態に関する統計情報が集められていない東北3県の漁協及び関係機関を対象にヒアリング追跡調査を行った。 以上の研究方法を基に、二度のレジリエンス循環に基づく近世から現代までの漁民の森づくりの史的変遷の整理や、レジリエンスを促進・阻害する要因の特定、全国の漁民の森づくり活動の実態を明らかにした。
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