2018 Fiscal Year Research-status Report
努力-報酬不均衡モデルに基づく女性勤労者のストレス状況の横断調査
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17K12873
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Research Institution | Shokei Gakuin College |
Principal Investigator |
柳沼 梢 尚絅学院大学, 総合人間科学系, 講師 (70635440)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 栄養士 / 管理栄養士 / 保育士 / 幼稚園教諭 / 努力-報酬不均衡モデル / 心理的ストレス反応 / バーンアウト / 離職意思 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、女性の活躍が期待される職域として、管理栄養士・栄養士(以後、栄養士)および保育士・幼稚園教諭(以後、保育者)に着目し、ストレスや困難、やりがいを多面的に把握し、働きやすい職場作りに貢献する上で基礎的な資料を得ることを目的としている。 栄養士を対象とした調査においては、都道府県栄養士会やその他団体、自治体担当課等に調査協力の依頼をし、了承の得られた団体や施設に所属または勤務する栄養士を対象として調査を進めている。現時点では、これまで了承の得られた都道府県栄養士会やその他団体、施設において調査を実施し、424件の回答を得ている(回答率30.5%)。保育者を対象とした調査においては、保育所や幼稚園を所管する自治体担当課や私立幼稚園連合会の承認を得たうえで、各保育施設の施設長に調査協力の依頼をし、了承の得られた施設に勤務する保育者を対象として調査を実施した。保育者においては本調査に先立ちフィージビリティ調査を実施し、調査票や調査方法の検討を行なったが、回答率の低さが問題となった。調査方法を見直して本調査を実施したところ、回答率は大幅に改善し、1370件の回答を得て(回答率51.9%)、無事に調査を終了させることができた。 本研究では、当初の研究および予算計画に変更が生じたため、補助事業期間延長申請を行い、承認を得た。従って、2019年度が最終年度となるが、栄養士調査を引き続き実施し、研究の総括を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2017年度は、Ⅰ.調査票の作成、Ⅱ.調査対象への協力依頼、Ⅲ.フィージビリティ調査(保育者)の実施を行なった。2018年度は、Ⅳ.本調査(栄養士、保育者)の実施、Ⅴ.統計解析・結果総括、Ⅵ.調査結果の還元を予定していた。 Ⅳ.本調査は、対象の規模として栄養士1000名程度、保育者1000名程度を予定しており、保育者においては目標を達成し、調査を終了した。栄養士においては目標に達しておらず、現在も研究期間を延長したうえで調査を引き続き実施している。 Ⅴ.統計解析・結果総括は、調査が終了した保育者のデータにおいて解析を進めている。ストレス反応に影響を与える要因について、カイ二乗検定や多重ロジスティック回帰分析により検討している。 Ⅵ.調査結果の還元は、調査が終了した保育者調査において、調査にご協力いただいた自治体担当課および保育施設に総括レポートを提出し、結果報告を行なった。また、第77回日本公衆衛生学会総会および第89回日本衛生学会総会で、2017年度に実施した保育者のフィージビリティ調査の結果を発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は、2018年度の続きとしてⅣ.本調査(栄養士)の実施、Ⅴ.統計解析・結果総括、Ⅵ.調査結果の還元を予定している。 Ⅳ.本調査(栄養士)では、2018年度に引き続き、都道府県栄養士会を中心に調査協力の依頼をし、了承の得られた各都道府県栄養士会に所属する栄養士を対象として調査を実施する。 Ⅴ.統計解析・結果総括は、既に調査を終了している保育者のデータにおいて引き続き解析を進めるとともに、今後得られる栄養士のデータにおいても同様の方法で解析を行う。また、ストレス反応と関連要因の関係性について、共分散構造分析による検証を試みる。職業間の比較も分散分析により行う。 Ⅵ.調査結果の還元は、調査にご協力いただいた各都道府県栄養士会に総括レポートを提出し、結果報告を行う。また、第66回栄養改善学会総会および第90回日本衛生学会総会での成果発表を予定するとともに、論文執筆を進める。
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Causes of Carryover |
保育者調査において、2017年度に実施したフィージビリティ調査の回答率が極めて低かったため、本調査の実施にあたり、調査方法の変更と調査規模の拡大が必要になった。これらの変更により、2018年度の予算に合わせて和歌山県立医科大学の吉益光一准教授の研究分担金を使用して実施したところ、保育者調査は目標を達成して終了することができたが、当初の計画よりも時間がかかった。そのため、栄養士調査は一部しか実施できず、未使用分の研究費が生じた。 未使用分の研究費を用いて栄養士調査の続きを実施するため、補助事業期間延長申請を行なった。従って、生じている次年度使用額は、栄養士調査の続きを行うために延長した2019年度分の研究費として使用する。
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