2019 Fiscal Year Research-status Report
事業所内保育所における防災に関する研究―災害時行動計画モデルの検証―
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17K12874
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Research Institution | Tokyo Future University |
Principal Investigator |
西村 実穂 東京未来大学, こども心理学部, 講師 (50611381)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 事業所内保育所 / 院内保育所 / 防災 / シミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、事業所内保育所の防災対策における課題を明らかにすることである。事業所内保育施設において実施可能な防災対策の具体的方策を明らかにすることを目的として下記の5つの研究課題を設定している。 【研究1】事業所内保育所における防災に関する課題の類型化,【研究2】被災経験のある事業所内保育所における事例調査,【研究3】事業所内保育所における3分間シミュレーションの手法を用いた防災計画作成,【研究4】事業所内保育所における防災計画実施と評価,【研究5】事業所内保育所における修正版防災計画の策定
本年度は、研究2「被災経験のある事業所内保育所における事例調査」、研究3「事業所内保育所における3分間シミュレーションの手法を用いた防災計画作成」、研究4「事業所内保育所における防災計画実施と評価」を実施した。 研究2については2018年の北海道地震、2019年の台風19号により浸水により被災した地域に設置されている院内保育所および認可保育所計3園を対象として、災害発生時の状況を尋ねるヒアリング調査を実施した。その結果、設置主体の事業所である病院が被災していた場合であっても、災害発生直後から開所していたこと、休園となった近隣の保育所の子どもを受け入れていたこと、開所の際には、保育の場所および保育に必要な人手、インフラが不足していたことが確かめられた。研究3、4については、3分間シミュレーションの計画を立案し、事業所内保育所1ヶ所においてプレ調査を実施した。3分間シミュレーションを実施した結果、参加した保育者から具体的に災害発生の場面をイメージすることができる点、避難訓練よりも短時間で実施できる点、子どもの午睡時間や夜間など通常は避難訓練を実施しにくい時間帯にも実施できる点などが高く評価された。しかし、3分間であっても日々の保育を行う中で時間をとることが難しいといった課題も挙げられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
順調に事業所内保育所の協力が得られ、ヒアリング調査、3分間シミュレーションのプレ調査を実施することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度においては、研究代表者の産休・育休取得により研究が中断する。令和3年度以降の研究再開後には、計画通り研究4「事業所内保育所における防災計画実施と評価」、研究5「事業所内保育所における修正版防災計画の策定」を実施する予定である。
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Causes of Carryover |
研究代表者の産休・育休取得による前年度からの繰越金があったこと、また、研究期間が延長になり、研究計画に変更が生じたため。
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Research Products
(6 results)