2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K12875
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Research Institution | Hyogo University of Health Sciences |
Principal Investigator |
平上 尚吾 兵庫医療大学, リハビリテーション学部, 講師 (60637643)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 脳卒中 / 身体活動量 / 臨床的意義 / 作業療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では脳卒中患者の入院時と自宅退院後の身体活動量をウェアラブルの身体活動量計を用いて測定し、患者の主観評価を主な外的基準として、脳卒中患者の臨床的意義のある身体活動量の変化を検討することを目的としている。 2019年度は14名分のデータを収集した。自宅退院後までのデータを計測できた対象者は高齢者が多く、入院時の計測時点で発症から約1か月が経過していた。運動麻痺の程度は中等度~軽度、歩行能力は見守りが必要~自立レベルの傾向にあった。入院時の平均歩数は約1700歩であった。活動強度については、1.5METs以下の活動(SB)、1.6~2.9METsの低強度身体活動(LPA)、3.0METs以上の中強度身体活動(MVPA)として、それぞれの活動時間を装着時間にて除した値(%)で見た場合、入院時は平均でSBは約79%、LPAは約20%、MVPAは約1%であり、対象者によるばらつきが大きいものの、活動強度は低い傾向にあった。自宅退院後、平均歩数は約2800歩に増加、活動強度は平均でSBは約67%、LPAは約30%、MVPAは約3%であり、いずれも対象者によるばらつきが大きいものの、活動強度は依然として低いが、より高い強度の身体活動時間が増加する傾向にあった。自宅退院後に対象者が自身の身体活動について入院時と比べ「少し良くなり意義ある変化であった」と回答した者においては、入院時から自宅退院後の歩数の平均変化量は約+800歩、活動強度は平均でSBは約-15%、LPAは約+12%、MVPAは約+3%であり、これらが本分析対象者から得られた身体活動量の臨床的意義のある変化であった。しかし、本結果はデータにばらつきのある少ない分析対象者から得られた結果であること、歩数については信頼性の検討が必要であることなどから、さらに研究を進める必要性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
適切な統計学的分析を実施するためのデータ数が不足している。理由は、データ測定を実施する施設において、本研究に適格する対象者が少なかったこと、および身体活動量のデータ測定が途中で困難となったケースが少なからずあったことが要因として考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
データ測定を実施する施設の研究協力者と入院患者情報について適宜情報交換し、研究対象者を着実に増やしデータを蓄積し、データ分析を進める予定である。
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Causes of Carryover |
(理由)物品費については、データ解析に用いるパソコンやその周辺機器等の必要性が一定数生じなかったため、未使用額が生じた。旅費については、本研究に限った研究の打ち合わせや学会への参加が生じなかったため、未使用額が生じた。 (使用計画)物品費については、データ測定の過程で必要性が生じた機器や消耗品、またデータ解析で必要となるパソコンやその周辺機器に充当する予定である。旅費については、研究打ち合わせや学会発表等に関わる旅費、そしてデータ解析に関わる機器等の物品費の不足分に充当する予定である。
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Research Products
(1 results)