2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K12875
|
Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
平上 尚吾 兵庫医科大学, リハビリテーション学部, 教授 (60637643)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 脳卒中 / 身体活動量 / 臨床的意義 / 作業療法 / リハビリテーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題では脳卒中患者の入院時と自宅退院後の身体活動量をウェアラブルの身体活動量計を用いて計測し、患者の主観評価を主な外的基準として、脳卒中患者の臨床的意義のある身体活動量の変化を検討することを目的としている。 現在までに37名分のデータを収集した。入院時の全対象者の平均年齢は73歳で、発症から約1.5か月が経過していた。運動麻痺の重症度は中等度~軽度、歩行能力は介助~自立レベルであった。対象者のうち、3日間以上の身体活動量の計測が可能であった者の入院時の平均歩数は約1470歩であった。活動強度は、1.5METs以下の座位活動(SB)、1.6~2.9METsの低強度身体活動(LPA)、3.0METs以上の中強度身体活動(MVPA)として、それぞれの活動時間を一日の平均装着時間で除した値(%)で解析した場合、入院時は、平均でSBは約74%、LPAは約25%、MVPAは約1%であり、活動強度の低い時間が多かった。自宅退院後(発症から平均約5か月経過)、対象者の歩行能力はほぼ自立レベルであり、平均歩数は約3060歩に増加、活動強度は平均でSBは約67%、LPAは約30%、MVPAは約3%であり、活動強度の低い時間が多いものの、入院時と比べ活動強度が上昇する傾向にあった。 自宅退院後に対象者が自身の身体活動量について「少し良くなり意義ある変化であった」と回答した者のデータを抽出して分析した結果、入院時から自宅退院後の歩数が平均で約780歩増加、活動強度は平均でSBは約11%減少、LPAは約9%増加、MVPAは約2%増加しており、これらが本課題の対象者における身体活動量の臨床的意義のある変化であった。ただし、本解析対象者の中には自宅退院後に歩数や活動強度が低下する者も散見され、データ数に応じて個人因子等の関連因子も含め検討していく必要がある。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
主に新型コロナウイルス感染症によりデータ測定を実施する施設でのデータ測定に遅延や困難が生じ、データ分析やデータ公表が滞っている。
|
Strategy for Future Research Activity |
データ測定を実施する施設の研究協力者と適宜情報交換し、可能な限り研究対象者を増やしデータを蓄積し、同時にデータ分析を進め論文作成や学会報告準備を進めていく。
|
Causes of Carryover |
(理由)新型コロナウイルス感染症の影響によりデータ測定に遅延が生じ、論文作成や学会報告に係る費用にて未使用額が生じた。 (使用計画)未使用額については、論文投稿や学会発表に関わる費用、およびそのデータ分析の打ち合わせ等に関わる旅費等に使用する予定である。また、データ測定の過程で必要となった機器や消耗品、およびデータ解析とその管理で必要となる周辺機器や物品に充当する予定である。
|