2023 Fiscal Year Annual Research Report
Study on daily living areas for the community-based integrated care system suited to older adults
Project/Area Number |
17K12877
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Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
池添 純子 徳島文理大学, 人間生活学部, 准教授 (50515624)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 日常生活圏域 / 地域包括ケア / 地域共生社会 / 高齢者 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、現在は地域包括ケアシステムのエリアとして市町村が設定する「日常生活圏域」について、制度整備から15年余りが経過したため、この間のエリア設定手法の変化や全国的な現状を明らかにし、また、高齢者の生活支援にエリアを設定する国際的な取組みとその課題を把握することを目的としている。 令和5年度は、スウェーデンエスキルストゥーナコミューンを対象に、海外における在宅医療と介護の連携エリアに関する現地調査を実施した。エスキルストゥーナコミューンで行った約15年前の調査では、在宅介護サービス整備に、住宅団地ほどの面的な基本単位(エリア)があり、新たにケアが必要な高齢者にサービスの支援内容を決定する支援判定員も、地理的な担当範囲を持っていた。今回の調査で、現在も在宅介護サービスはヘルパーステーションを中心とした基本単位ごとの整備が継続されているが、支援判定員は地理的な担当範囲がなく、3つのチームに分かれているのみであることが明らかになった。 現在最も重視されているのは、支援を希望する高齢者が「助けを求める窓口を分かりやすくすること」で、支援の問合せを受けることを専属とする職員が配置されていた。そこから、支援の緊急性が高い場合に対応するチームの担当、それ以外は3つのチームの業務量が均等になるよう担当を振り分けるという、新たな仕組みが構築されていた。この背景には、高齢者が求める「支援」内容が、家族関係も含めて複雑且つ分野横断的となっているためであり、地域共生社会を目指す我が国にとっても、参考となる仕組みであることが示唆された。 また、我が国の高齢者の生活支援に関する調査も継続し、これまでの研究成果より、介護と医療をトータル支援できる地域包括ケアシステムに適した日常生活圏域について検討した。
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