2019 Fiscal Year Annual Research Report
A study on psychological and physiological effects of interior lignification in elderly people
Project/Area Number |
17K12879
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
萬羽 郁子 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (20465470)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 高齢者 / 心理反応 / 生理反応 / 内装木質化 / スギ |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は、室内の内装木質化が高齢者に及ぼす心理・生理的効果を明らかにするため、若年者と高齢者を対象とした被験者実験を行った。 実験は、2019年9月下旬~10月上旬に、被験者16名(20~30代の男女各4名、50~60代の男女各4名)を対象とした。A室は奈良県産スギ板による木質内装、B室は木目調樹脂シートによる内装とし、広さ・温熱・音・光・内装材の色環境は同じように設定した。被験者は各実験室に60分間滞在し、その間に心理反応・生理反応・創造性を測定した。心理反応としてアンケート(環境評価・形容詞対による印象評価)と気分プロフィール検査POMS2日本語短縮版、生理反応として脈波測定、アイディアを自由記述するS-A創造性検査を行った。 空気環境の測定結果と心理反応の環境評価結果より、A室では木の香り成分であるテルペン類が多く検出され、A室のにおいの方が環境評価において快側に評価された。また、印象評価の結果やPOMSの結果にも違いがみられ、木質内装空間における視覚・嗅覚刺激が、室内の環境・印象評価に影響を与えていたことが分かった。生理反応においても、A室はB室よりもLn(HF/LF)が低くなったことから、木のにおいや見た目の印象が在室者の鎮静に作用したことが考えられた。また、高齢層では若年層よりも木質内装を好ましく感じていることが分かり、実験室間での評価に大きな違いがみられたことが特徴的であった。 以上の実験結果と、2017年度実験結果をまとめ、研究成果のまとめを行った。
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Research Products
(1 results)