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2017 Fiscal Year Research-status Report

摂食・嚥下機能が低下した高齢者に向けたゲル状栄養送達システムの開発

Research Project

Project/Area Number 17K12884
Research InstitutionNational Agriculture and Food Research Organization

Principal Investigator

王 政  国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 野菜花き研究部門, 研究員 (10617947)

Project Period (FY) 2017-04-01 – 2020-03-31
Keywordsエマルション / ゲル / 乳化 / 機能性成分 / 送達システム
Outline of Annual Research Achievements

食品に含まれる栄養素と機能性成分は水溶性と脂溶性を有する。水溶性成分は容易に吸収されるに対して、脂溶性成分は膜透過性が悪く、生体利用性が低い。これまで市販された液体栄養剤やゲル化剤・とろみ剤を添加した栄養剤の多くは水溶性の成分であり、健康に良い脂溶性の機能性成分の利用は未だ進んでいない。エマルションは水中に分散した液滴に機能性成分を内包させて送達するシステムとして知られている。内包された成分の徐放特性や機能発現特性の制御が期待されている。しかし、エマルションは液体であり、高齢者が誤嚥を引き起こすリスクがあるため、摂食・嚥下機能が低下した高齢者には不向きである。本研究では、誤嚥防止のため、ゲル化する技術に注目し、摂食・嚥下機能を低下した高齢者に向けの、新規機能性成分送達システムを開発することを目的とする。
研究初年度である今年度では、予備乳化法と高圧乳化法の併用により、ゲル状送達システムの基盤となる脂溶性の機能性成分を内包するエマルションの作製方法を構築できた。ここで、乳化剤の種類と圧力の制御により、異なる粒子径のエマルションが安定的に作製できた。また、上記作製したエマルションを水溶性の栄養素を含有するゲル化剤水溶液を一定の温度・割合で混合させて、その後、冷却処理を行うことで水溶性栄養素と脂溶性の機能性成分の双方を包括できるゲル化する技術の構築ができた。また、エマルションをゲル化する時に、エマルションの粒子径やエマルションを作製時に用いた乳化剤の種類等を作製後のゲル強度に与える影響についても検討できた。結果としては乳化剤の重合度の増大におよびエマルションの粒子径の減少に伴い、ゲル強度が増加する傾向があると分かった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

平成29年度の研究実施計画の目的とした「ゲル状送達システムの基盤となる、脂溶性の機能性成分を内包するエマルションの作製法とゲル化する技術の構築および、作製後のゲルの物性の検討」を実施できたため。

Strategy for Future Research Activity

本年度までの研究はおおむね順調に進展したので、次年度の研究も当初の計画をベースに実施する予定である。具体的には、平成30年度は、まず、ゲルに包括する栄養素・機能性成分に対する保存安定性について評価する。機能性成分はゲルに包括されていることで、空気遮断効果等があるものと想定され、より長持ちできるかと考えられる。すなわち、ゲル化する前後の栄養素・機能性成分の保存安定性について比較・検討する。保存期間に水分の蒸発等により、ゲルの形状が崩れる恐れがあるため、保存条件を含め慎重に検討を行う。また、カビが入らないように適宜アジ化ナトリウムを添加する予定である。比較対象として、同組成のエマルション(液体)も評価する。

Causes of Carryover

消耗品購入等で予算と同額に消費できなかったため。
消耗品および学会発表や論文作成に関わる費用に使用する予定である。

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Published: 2018-12-17  

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