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2018 Fiscal Year Research-status Report

摂食・嚥下機能が低下した高齢者に向けたゲル状栄養送達システムの開発

Research Project

Project/Area Number 17K12884
Research InstitutionNational Agriculture and Food Research Organization

Principal Investigator

王 政  国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 野菜花き研究部門, 研究員 (10617947)

Project Period (FY) 2017-04-01 – 2020-03-31
Keywordsエマルション / ゲル / 乳化 / ケルセチン / 保存安定性
Outline of Annual Research Achievements

エマルションは水中に分散した液滴に機能性成分を内包させて送達するシステムとして知られている。内包された成分の徐放特性や機能発現特性の制御が期待されている。しかし、エマルションは液体であり、高齢者が誤嚥を引き起こすリスクがあるため、摂食・嚥下機能が低下した高齢者には不向きである。本研究では、誤嚥防止のため、ゲル化する技術に注目し、摂食・嚥下機能を低下した高齢者に向けの、新規機能性成分送達システムを開発することを目的とする。今年度は、主の脂溶性の機能性成分を内包するエマルションならびにエマルションゲルの保存安定性について検討を行った。前年度に構築したエマルションおよびエマルションゲルの作製方法に従って、試料を作製した。ここで、連続相として3種類の食品用乳化剤の水溶液を用いた。機能性成分のモデルとしてケルセチンを用いた。高圧乳化装置を用いて異なる圧力により計9種類のエマルションを作製でき、その後、それぞれをゲル化させ、実質18種類の試料を作製した。4℃と25℃の2つの条件で保存安定性を検討し、それぞれ28日を実施した。エマルションの場合は、両方の保存温度において、保存28日後、ケルセチンの濃度が若干減少したが、4℃保存の場合に比べると、25℃の場合は、試料の上に薄い油層が確認できた。すなわち、25℃においてエマルション自体の安定性がやや劣ると示唆された。これに対して、エマルションゲルの場合、保存28日後、ゲルの重さや強度などの変化がほとんどなく、よりよい安定性を示された。一方、25℃保存の場合、保存14日後、カビが生えてしまい、28日の時点でケルセチンの含量をかなり減ってしまった。今後、防菌対策をしっかり取る必要がある。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

平成30年度の研究実施計画であるゲルに包括する成分の安定性評価が実施でき、有意義な基礎知見を得られ、これらの知見は本研究課題の研究目的に合致したものである。以上より、本年度の研究で期待される成果をおおむね達成した。

Strategy for Future Research Activity

本年度までの研究はおおむね順調に進展したので、最終年度の研究も当初の計画をベースに実施する予定である。具体的には、in vitro胃腸消化モデルを用いて、作製されたゲルに含まれる各成分の消化・吸収特性を評価し、ゲルの物性と消化吸収との相関を検討する。その結果をゲルの作製法にフィードバックすることで、作製法の最適化を図る。

Causes of Carryover

消耗品購入等で予算と同額に消費できなかったため。
消耗品および学会発表や論文作成に関わる費用に使用する予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2018

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] エマルション寒天ゲルの作製と物理的特性評価2018

    • Author(s)
      王 政、小林 功、Marcos A. Neves、植村 邦彦、上田 浩史、中嶋 光敏
    • Organizer
      日本食品工学会 第19回(2018年度)年次大会

URL: 

Published: 2019-12-27  

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