2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K12885
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
佐藤 瑶子 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 助教 (80725185)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | スチームコンベクションオーブン / 予測 / 根菜類 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は冷却前の加熱時間の設定について検討を行うため、スチームコンベクションオーブン(以下SCO)を用いた根菜類の加熱時間の設定について検討した。SCOの設定温度100℃、設定蒸気量100%として試料を加熱した。試料は2cm角ジャガイモを用いた。ホテルパン1枚に入れる水と試料を合計2~4kgとし、合計重量に対する試料の割合は0~0.6とした。ホテルパンの枚数は1~10枚用いた。加熱中の庫内温度、水温、試料中心温度を測定し、水温の実測値に基づき、試料中心温度及び硬さの変化をプログラム計算により予測し、適度な硬さになるまでの最適加熱時間を算出した。さらに、実際に試料を加熱し、官能評価(5段階評点法)を行うことで、加熱時間設定の妥当性を検証した。 スチコンでのゆで加熱中の試料中心温度の実測値は予測値と概ね一致した。よって、煮物や汁物のように汁中でジャガイモを加熱する際の試料内部温度の予測が可能であることを確認した。得られた水温変化を用いて予測した2cm角ジャガイモの最適加熱時間は、試料と水の合計重量3kg(試料割合0.5)、ホテルパン1枚の場合で16.2分であり、その内訳は水温上昇期11.4分、沸騰継続期4.8分であった。この条件で試料を実際に加熱して官能評価に供したところ、試料は適度な硬さと評価された。よって予測したSCOの加熱時間の妥当性を確認した。また、ホテルパンの枚数、水と試料の合計重量、試料の割合の増加に伴い、水温が98℃になるまでの時間(tw98)は直線的に増加し、各条件での最適加熱時間とtw98との間には直線関係が認められ、これらの要因が加熱時間設定の指標になることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度内に冷却の前段階の加熱時間の設定を検討する計画であり、加熱時間の設定に必要な知見を得ることができている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度設定を行ったスチームコンベクションオーブンを用いた加熱時間で実際に試料を加熱した後の、急速冷却及び冷蔵保存中の変化について検討を行う。 特に、本年度に加熱時には水と試料の合計重量、試料の割合及びホテルパンの枚数が加熱時間に及ぼす影響を明らかにしており、冷却時についてもこれらの要因が冷却時間にどのように影響するのかを検討することから取り掛かる予定である。
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